AIAレビュにおけるクレーム補正ルール変更案

2019年10月末、USPTOは(IPRやCBMなどの)AIA手続きにおけるクレーム補正ルールの一部変更を発表。この変更が採用されれば、クレーム補正時の証明責任が明確化されます。

提案されているクレーム補正ルール変更案

(d) Burden of Persuasion. On a motion to amend:
(1) A patent owner bears the burden of persuasion to show, by a preponderance of the evidence, that the motion to amend complies with the requirements of paragraphs (1) and (3) of 35 U.S.C. 316/326, as well as paragraphs (a)(2), (3), (b)(1), and (2) of this section;
(2) A petitioner bears the burden of persuasion to show, by a preponderance of the evidence, that any proposed substitute claims are unpatentable; and
(3) Irrespective of paragraphs (d)(1) and (2) of this section, the Board may, in the interests of justice, exercise its discretion to grant or deny a motion to amend for any reason supported by the evidence of record.

このparagraph (d) が 37 C.F.R. §§ 42.121 と 42.221に加えられる予定です。

クレーム補正時の証明責任が明らかに

このルール変更が採用されれば、クレーム補正の際に特許チャレンジャー(特許を無効にしたい側)が特許権者が提案した代替クレームの非特許性(unpatentable)を示す必要があることが明記されます。

これは、2017年にCAFCのen banc判決であるAqua Products判決に沿う形になります。Aqua Products判決以前では、クレーム補正がある場合、特許権者が補正されたクレームには特許性があることを示さなければなりませんでした。

証明責任(burden)は大切な考え方

当事者のどちらに証明責任があるかというのはとても大切な考え方です。というのも、権利化の際は、審査官が出願された特許に非特許性があることを証明できないので、特許が交付されます。つまり、出願人は他の条件を満たす必要はありますが、拒絶理由がなければ、クレームには特許性があることを明確に示さなくてもいいのです。この責任がどちらにあるかだけでもクレームが成立するかというのは大きく変わってきます。

PTABの裁量権

また、この変更案に伴いPTABの裁量権が明記されました。証拠次第ですが、どのような理由であれ、PTABが手続きを拒絶できることが明記されています。このルールがそのまま採用されれば、権利化の際には考慮されないような情報もAIA手続きの際のクレーム変更のときに、PTABが考慮することも考えられます。

ルール変更に対するコメント応募期間

特許庁ではこの変更に対して、一般からのコメントを今年の12月23日まで受け付けています。まだ、このルールが適用される日程は不明ですが、一般からのコメントで大きな問題が指摘されない限り、来年には正式に変更されるのではないでしょうか?

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者:Daniel B. Weinger and Vincent M. Ferraro. Mintz (元記事を見る

OLCの米国知財ニュースレター

最新まとめ記事を
毎週メールボックスにお届け

登録すると、週1回、最新まとめ記事の概要とお知らせを受け取ることができます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

OLCとは?

OLCは、「アメリカ知財をもっと身近なものにしよう」という思いで作られた日本人のためのアメリカ知財情報提供サイトです。より詳しく>>

追加記事

ビジネスアイデア
野口 剛史

勝手に知財ランキング

知財を盛り上げていくには何らかのエンタメ要素が必要だと思っていて、過去にもアイデアを提示しましたが、今回は知財ランキングを勝手にやって、それを継続してやることでデファクトにしてしまうという作戦です。

Read More »
訴訟
野口 剛史

デザイン特許の損害賠償の未来

2016年の Samsung Electronics Co. v. Apple, Inc.からデザイン特許が再注目されてきましたが、最高裁で提示されたテストの適用について、まだ明確な「ルール」はありません。今回は、現在控訴中のケースから予想されるデザイン特許の損害賠償の未来について考察します。

Read More »
rejected-trash
再審査
野口 剛史

CBMレビュー対象特許の条件

PTAB は、Xerox Corp. v. Bytemark, Inc.において、Covered Business Method (“CBM”) レビューに対象特許の条件を明確にしました。クレーム文言に金融関連であるような明確な文言か、金融関連であるようなことを示唆するような文言が含まれていることが必要で、特許クレームが金融活動と偶発的(incidental)に関連している、または、付属するもの(complimentary)だけでは足りません。

Read More »