先使用権はAIAから新しく追加されたメカニズムですが、あまり活用されていないので知らない人も多いと思います。そこで、今回はAIAの先使用権に頼る前に知っておきたい6つのポイントを紹介します。
- トレードシークレットは内部のプロセスやシステムなど公に公開されていない知的財産を守るために有効な手段の1つです。しかし、競合他社が同じ技術に関する特許を取得するという自体を想定しないといけない。
- トレードシークレットの保有者はAIA(35 U.S.C. § 273)における先使用権(Prior user right)に頼ることにより、ある一定の条件下の元であれば、競合他社による特許侵害の権利行使の防衛ができます。
- 先使用権が有効な防衛手段となるためには、競合他社が特許出願を行う1年以上前に実際にトレードシークレットを使っている必要があります。
- 更に、その使用は、アメリカ国内におけるものでなくてはいけません。
- 先使用権を立証するには、“clear and convincing”という証拠基準をクリアーしないといけない。通常の民事では“preponderance of the evidence”という低い証拠基準なので、先使用権の立証のためには十分な記録をとっておくことが大切になってくる。
- もし先使用権に頼るリスクを受け入れ、特許侵害対策を行うのであれば、大きなコストカットができる。
まとめ作成者:野口剛史
元記事著者: Karam J. Saab. Kilpatrick Townsend & Stockton LLP (元記事を見る)