USPTO memorandum on Means-Plus-Function guidelines issuance indicating focus on 35 U.S.C. 112(f) claims format for patent examination; emphasizes need for proper claim drafting in accordance with guidelines.

USPTOが「Means-Plus-Function」に関する最新のガイドラインを出した意味

先月、米国特許商標庁(USPTO)が「Means-Plus-Function」に関するメモランダムを発行し、審査官に最新ガイダンスを提供しました。その内容は実務における大きな変更を意味するものではなく、既存の法的枠組みの下でより明確な指針を提供することを目的としています。しかし、このタイミングにおけるガイドラインの発行は、35U.S.C.112条(f)に基づく一風変わったクレームの形式であるMeans-Plus-FunctionがUSPTOにおける特許審査で注目されていることを示しており、改めてガイドラインに沿った適切なクレームドラフティングが求められることを意味します。

「Means-Plus-Function」とは

35U.S.C.112条(f)に概説されている "Means-Plus-Function "のクレーム文言は、発明者が物理的な形状を特定するのではなく、機能性に基づいて発明の構成要素を特定するクレームをいいます。日本語でも「ミーンズ・プラス・ファンクション・クレーム」と呼ばれ、たまに機能的クレーム文言などと表現されることもあります。

Means-Plus-Functionクレームの利点は、発明の構成要素をその機能によって説明し、その機能を満たす構造、材料、または行為を特許明細書に詳細に記載することで、幅広い実施形態を捉えることができます。それによって、特許の幅を広げることができます。例えば、あるクレームは、「締結手段」という単一の用語の下で、様々な締結方法-ステープル、クリップ、ボルト-をカバーし、各々が明細書中に詳述することができます。

しかし、特許請求の範囲が特許明細書に記載された具体的な構造、材料、または行為に限定されるというMeans-Plus-Functionの特徴は、同時に欠点でもあります。つまり、この明細書に記載された開示に限定されることで、請求範囲が狭まり、競合他社が特許を回避する設計を容易に行える可能性があります。また、明細書に記載されていない類似の機能を持つ構造をカバーしないため、保護範囲が予想よりも限定的になることがあります。さらに、Means-Plus-Functionの形式でくーレムする場合、特許明細書に機能を実現するための具体的な方法またはアルゴリズムを詳細に記述する必要があり、その記述が不十分な場合には、特許請求項が不明確(indefinite)であると判断されるリスクがあります。

USPTOによる最新の「Means-Plus-Function」に関するガイドライン

このように一長一短がある特殊なクレーム形式ですが、2024年3月18日、米国特許商標庁(USPTO)は、「Means-Plus-Function」または「Step-Plus-Function」の言語を含む特許請求項の分析を支援するためのガイダンスを提供するメモランダムを発行しました。このメモランダムは、特許審査官の実務における変更を意味するものではなく、既存の法的枠組みの下で、特に35 U.S.C. § 112(f)に基づく請求項の解釈に関して、より明確な指針を提供することを目的としています。

メモランダムの主要なポイントは以下の通りです:

  1. 請求項の解釈:Means-plus-functionクレームは、特許明細書に記述された対応する構造、材料、または行動及びその等価物に限定して解釈されます。この解釈は、特許請求の範囲を決定する際に、より狭い範囲をもたらします。

  2. 審査官の分析:審査官は、請求項が最も広い合理的解釈に基づいて評価されるべきであり、この解釈は特許明細書に基づいているべきであると指示されています。そのため、Means-plus-function形式の請求項は、Means-plus-functionではない請求項よりも狭い解釈を受けるべきとしています。

  3. 明細書の要件:特許出願人は、請求される機能を遂行するための具体的な手段を明細書に十分に記載する必要があります。これには、コンピュータ実装の請求項の場合、実行される特定のコンピュータ機能のアルゴリズムを明細書が開示している必要があります。

  4. 請求項の「means」用語の使用:請求項が「means」または「step」という用語を使用し、かつ機能的な言語を含む場合、その請求項は35 U.S.C. § 112(f)の下での解釈が適用されると見なされます。ただし、「means」または「step」を用語として使用せず、かつ具体的な構造を欠いている場合でも、これらの請求項は§ 112(f)に基づく解釈が適用され得ます。

  5. 明確な記録の重要性:審査過程での明確な記録の確立が強調され、特許出願人、公衆、裁判所が、審査官が請求項の解釈に使用した構造を理解できるようにOAなどで記述することが求められています。

特許実務家のための戦略的考察

USPTOの「Means-Plus-Function」に関するメモランダムは、特許請求項のドラフトにいくつかの重要な影響を与えます。特に、以下の点に留意することが重要です:

Means-plus-functionを回避する際の注意点

Means-plus-function形式を避け、そのように推定されないようにするためには、特許請求項を慎重にドラフトすることが重要です。以下に、そのための具体的な戦略をいくつか示します:

  1. 具体的な構造の使用:請求項において、「means」や「step」という用語を避け、代わりに具体的な構造、材料、または行動を記述します。例えば、「means for fastening」の代わりに、「clamp」といった具体的な構造を用いることで、means-plus-function形式の推定を避けることができます。

  2. 機能的言語の避ける:請求項において機能を記述する際は、それを実行する具体的な手段やプロセスを明確に記述することで、機能的な言語の使用を最小限に抑えます。機能的な言語のみに依存することなく、その機能を実現する具体的な構造や手段を示すことが重要です。

  3. 「configured to」の使用:「means for」を使用する代わりに、「configured to」という表現を使用して、特定の機能を実行するために特定の構造や構成が設定されていることを示します。この表現は、請求項が具体的な構造に基づいていることを示すのに役立ちます。

  4. 明細書における詳細なサポート:請求項に記載された各要素が、特許明細書において十分にサポートされ、詳細に記述されていることを確認します。通常のクレームでも明細書におけるサポートは重要です。さらに、クレームがmeans-plus-function形式として推定された場合でも、明細書の詳細を用いた補正を行うことで、means-plus-functionの推定を変えることが可能になります。

これらの戦略を通じて、特許請求項がmeans-plus-function形式として推定されることを避け、請求項の解釈が意図した通りに行われるようにすることができます。

Means-plus-functionを活用する際の注意点

逆にMeans-plus-function形式を積極的に活用し、審査官がちゃんと意図したクレームをmeans-plus-functionとして推定するようにするためには、特許請求項を慎重にドラフトすることが重要です。以下に、そのための具体的な戦略をいくつか示します:

  1. 明細書への詳細な記述の必要性:クレームをMeans-plus-functionとして解釈してもらいたい場合、出願人は、請求された機能を遂行するために必要な具体的な構造、材料、または行為を特許明細書に詳細に記載する必要があります。これにより、請求項が広い解釈を受ける可能性が低くなりますが、同時に、請求項が適切にサポートされ、不明確さや有効性の問題を避けることができます。

  2. 請求項の解釈の狭まり:メモランダムによると、means-plus-function請求項は、明細書に記載された具体的な構造、材料、または行為及びその等価物に限定して解釈されるため、請求項の解釈がより狭まることになります。このため、競合他社が特許の範囲を回避する設計を行う可能性が高まるので、明細書における具体的な構造、材料、または行為の記載に関して多彩なバリエーションを含むことが重要になってきます。

  3. クレームの拒絶率:審査官は、means-plus-function請求項を特許明細書に基づいて解釈するため、不十分な記述や不適切なサポートがある場合、請求項の拒絶率が高まる可能性があります。特に、機能を実現するための具体的な方法やアルゴリズムが明細書に明確に記載されていない場合、請求項は不明確であると判断されることがあります。

  4. ソフトウェア関連の請求項への影響:コンピュータ実装の請求項、特にソフトウェアに関連する請求項は、特定のコンピュータ機能を実行するためのアルゴリズムが明細書に記述されている必要があります。この要件は、ソフトウェア特許のクレームドラフトにおける慎重な検討を要求します。

結論

USPTOが「means-plus-function」クレームに関するガイダンスをこのタイミングで発行したことは、特許審査におけるmeans-plus-functionクレームに関する明確性と一貫性に力を入れているという証拠です。今回のガイダンスで「means-plus-function」の取り扱いは大きく変わってはいませんが、いままで以上にmeans-plus-functionの使い方を見直し、ガイドラインに沿った形で、最大限活用する(または意図的に回避する)ことが求められます。

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