ジョー・バイデン大統領が指名していた特許庁長官候補のKathi Vidal氏が上院の投票により、正式に特許庁長官になることが承認されました。これで長い間、空席だった特許庁長官ポストが埋まることになります。
Kathi Vidal氏のバックグラウンド
Vidal氏は、Winston & Strawn LLPのマネージングパートナーおよび執行委員会メンバーとして、米国連邦地方裁判所および国際貿易委員会(ITC)において、特許権者および被告を代理していました。また、特許審判部(PTAB)での実務に深く携わり、連邦巡回控訴審で数多くの弁論を行い、連邦巡回控訴審(CAFC)および最高裁判所での重要な事件でAmicus活動を主導していました。
トップクラスの訴訟弁護士として多くの賞を受賞し、米国を代表する裁判弁護士で構成されるLitigation Counsel of Americaに選出されており。Winston & Strawnに入る前は、Fish & Richardsonにおいて、世界11拠点、270名の弁護士からなる訴訟グループを率い、同事務所の経営委員会のメンバーも務めていました。
ビンガムトン大学(ニューヨーク州)で電気工学の学士号を取得し、シラキュース大学で電気工学の修士号を取得しています。その後、ペンシルバニア大学で法学士を取得。ゼネラル・エレクトリック社、ロッキード・マーチン社でソフトウェア設計エンジニアとしてキャリアをスタートし、人工知能、ソフトウェア工学、回路設計に携わったりもしていました。
就任後に取り組む課題とは?
バイデン大統領の就任後、Drew Hirshfeld氏が非公式にディレクターの職務についており、長官の席は1年以上空席になっていました。
今後は、Vidal氏はのリーダーシップの元、様々な知財に関する課題に取り組むことが予想されていますが、中でも、Fintiv分析における推測されるスケジュールよりも与えられた地区での裁判までの平均時間を用いるべきであることを明確にする新しいPTAB判例が指定されることを期待しています(おそらくWDTX絡みの事件で)。また、規則制定によるDirector Review Processの正式化、および、おそらくそのようなレビューを求めることに関連する費用の発生も予想されます。
他にも以下のような課題に取り込むことが期待されています。
- PTABにおけるUSPTOの裁量的拒絶の慣行の見直
- 特許法101条に基づく特許適格性
- 業界標準に不可欠な特許に関する政策変更案
- 特許裁判に出廷する女性やマイノリティーの弁理士の数を増やすための政策
- 発明家としての性別や人種の多様性を高めるためのPTOの継続的な取り組み
参考記事:Senate Approves Kathi Vidal for Patent and Trademark Office (1)