USPTOのCOVID-19対策

新型コロナウイルス(COVID-19)のアメリカでの拡大に伴い、USPTOはCOVID-19に関する公式情報を開示する特設ページを作りました。2020年3月24日現在、以下のような発表を行っています。

  1. オリジナルの手書き署名の条件の免除。37 CFR 1.4(e)(1) と(2)に関わる書類に必要なオリジナルの手書き署名の条件を免除しました。その他の手続きや書類には元々手書きの署名ではなく、デジタル署名でも大丈夫なようになっています。
  2. COVID-19の被害を受けた人への救済措置。USPTOでは状況に応じて一部の費用を免除するとのことです。しかし、この告知自体は何も補償するものではないので、公式の通知を読んで、該当するならしかるべき行動を取ることをおすすめします。
  3. USPTOオフィスの一般への閉鎖。3月16日から期間を決めず、USTPOは職員や関係者以外への特許庁へのアクセスを禁止。しかし、USPTOは通常通りの営業をし、特許出願や商標出願の締め切りや他の締め切り日に変更はありません。
  4. USPTOのイベント。イベントの延期、キャンセル等の最新情報は専用ページで確認できます。
  5. インタビュー、口頭弁論、面会など。これは前回の記事で紹介したとおりで、原則リモートで行われ、電話やビデオがコミュニケーションのツールになります。また、特設ページには各部署への問い合わせ先が掲載されています。
  6. 各拠点での活動状況。USPTOはAlexandria, VAの本部の他に、4カ所の拠点をアメリカ各地にもっています。専用ページからその拠点ごとの活動状況を確認できるようになっています。

解説

COVID-19の影響を受けた出願人などにはある程度の救済があるものの、OA対応などの期間延長などの措置はなく、基本「通常」通りの運営となっています。しかし、現地の事務所によっては、対応が遅れているところもあるかも知れないので、アメリカへの出願やOA対応なのは期限ギリギリでの対応ではなく、時間に余裕を持たせた対応をするべきです。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者: USPTO(元記事を見る

ニュースレター、会員制コミュニティ

最新のアメリカ知財情報が詰まったニュースレターはこちら。

最新の判例からアメリカ知財のトレンドまで現役アメリカ特許弁護士が現地からお届け(無料)

日米を中心とした知財プロフェッショナルのためのオンラインコミュニティーを運営しています。アメリカの知財最新情報やトレンドはもちろん、現地で日々実務に携わる弁護士やパテントエージェントの生の声が聞け、気軽にコミュニケーションが取れる会員制コミュニティです。

会員制知財コミュニティの詳細はこちらから。

お問い合わせはメール(koji.noguchi@openlegalcommunity.com)でもうかがいます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

OLCとは?

OLCは、「アメリカ知財をもっと身近なものにしよう」という思いで作られた日本人のためのアメリカ知財情報提供サイトです。より詳しく>>

追加記事

draft pen paper
特許出願
野口 剛史

権利行使できるアメリカ特許クレームの書き方7つのポイント

特許の数を求める時代は終わりつつあります。権利行使をしないのであっても、分析ツールで「有益な」特許が簡単にわかってしまう今日、権利行使ができる「強い」特許を得ることは死活問題です。今回は、そのためにはどのようにクレームを書いたらいいのか、7つの実務に使えるヒントを紹介します。

Read More »
訴訟
野口 剛史

サイバーセキュリティ特許戦争の予感

膨大なサイバーセキュリティへの投資、比較的新しいサイバーセキュリティ関連特許の数、侵害検知がしやすい特徴、市場のプレイヤー数などを総合して考えると、今後サイバーセキュリティ関連特許による特許訴訟が増えてくる可能性があります。

Read More »