スタンダードをクレームに記載するときの注意点

政府や市場におけるスタンダードをクレームに記載している特許をよく見かけます。しかし、そのようなスタンダードは時が経つにつれて変わっていく可能性があるので、スタンダードをクレームに記載するときの注意点についてまとめました。

参考判例:In Ex Parte McClary, Appeal 2009-001300, Application 11/101,897 (May 17, 2010)

この判例では、審査官がARINC 615 protocolという基準は将来変わる可能性があるので、そのような基準を参照している出願は記載不備(112 rejection)であると示しましたが、ボードはこの審査官の112 rejectionを覆しました。

ボードの発言:

Compliance with the provisions of 35 U.S.C. § 112 is determined as of the filing date of the application. W.L. Gore & Assoc., Inc. v. Garlock, Inc., 721 F.2d 1540, 1556 (Fed. Cir. 1983). There does not appear to be any dispute here that a particular version of the ARINC 615 protocol was in existence as of Appellant’s filing date. Thus, one of ordinary skill in the art, with reference to the standard in effect as of the filing date of Appellant’s application, would readily be able to determine the metes and bounds of this element found in claims 10 and 12. Accordingly, we will not sustain the rejection of claims 10 and 12 under 35 U.S.C. § 112, second paragraph, as being indefinite.

実用編

この判例を受け、スタンダードがいつのものなのかを明確に示す出願人もいます。

Claim 11 of U.S. Patent No. 9,945,005:

11. The method according to claim 1 wherein the material is leached for a sufficient period of time that the residue after leaching meets the EPA TCLP limits according to EPA Test Method 1311 procedure in effect on the filing date of this application.

Claim 27 of U.S. Patent No. 7,043,402:

27. The system of claim 20, wherein said electrical indication means is comprised of at least one of: (a) a serial communications port; (b) a bi-directional serial data bus chosen from among standards SAE/TMC J1708/J1587 protocol in effect on the filing date hereof, or SAE J1939 communications protocol in effect on the filing date hereof; (c) a CAN data bus; (d) a RF device; and/or (e) an IR device.

Claim 16 of U.S. Patent No. 6,889,385:

16. The apparatus of claim 8 wherein said DOCSIS cable modem is compatible with any DOCSIS national standard for cable modems as of the filing date of the parent patent application of this patent application.

まとめ

スタンダードがクレームに記載されているからといって、そのことで自動的にクレームが無効になるといいことはありません。しかし、スタンダードが将来的に変わることも想定しつつ、クレームが意図するスタンダードのバージョンが明確に特定できるようにしておくことがいいでしょう。そのためにもクレームや、明細書内でクレームに記載されたスタンダードについて詳しく開示しておくといいでしょう。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者:Bryan K. Wheelock. Harness, Dickey & Pierce, PLC(元記事を見る

ニュースレター、公式Lineアカウント、会員制コミュニティ

最新のアメリカ知財情報が詰まったニュースレターはこちら。

最新の判例からアメリカ知財のトレンドまで現役アメリカ特許弁護士が現地からお届け(無料)

公式Lineアカウントでも知財の情報配信を行っています。

Open Legal Community(OLC)公式アカウントはこちらから

日米を中心とした知財プロフェッショナルのためのオンラインコミュニティーを運営しています。アメリカの知財最新情報やトレンドはもちろん、現地で日々実務に携わる弁護士やパテントエージェントの生の声が聞け、気軽にコミュニケーションが取れる会員制コミュニティです。

会員制知財コミュニティの詳細はこちらから。

お問い合わせはメール(koji.noguchi@openlegalcommunity.com)でもうかがいます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

OLCとは?

OLCは、「アメリカ知財をもっと身近なものにしよう」という思いで作られた日本人のためのアメリカ知財情報提供サイトです。より詳しく>>

追加記事

laptop-typing
契約
野口 剛史

Open Source Softwareについて知っておきたい基本

今日、Open Source Softwareに関するセミナーに参加してきました。セミナーは法務部向けの内容になっていたので、ソフトウェアの知識がなくてもOpen Source softwareを扱うときの注意点を学べました。今回はそこで学んだことの一部をシェアーします。

Read More »