商標に関する特許庁を装った詐欺行為に注意

最近、また商標に関する特許庁を装った詐欺行為が増えているようです。特に、料金の支払いや、社会保障番号(Social Security Number)、生年月日、その他の個人情報を要求されてた場合は注意しましょう。

手口の例としては、USPTOの審査官から電話があり、持っている商標の期限切れで、更新のためにクレジットカードが必要だと言うようなものがあります。当然ですが、特許庁の審査官はそのようなことは行わないので、これは詐欺です。

公開されている商標出願の情報からターゲットを見つけている

しかし、残念なことにこのような詐欺行為が横行しているからか、米国特許商標庁は最近、この件に関するアラートを発表しています。商標の出願は公開情報です。詐欺師はこのデータベースにアクセスし、商標庁の職員を装って商標登録申請者に電話をかけています。彼らは、手数料を支払うためのクレジットカード情報、出願を処理するための個人情報、あるいは「国際レジストリ」(これは嘘です)に登録することを要求します。彼らは「スプーフィング」と呼ばれる手口を使い、合法的に見えるように偽の発信者IDを生成します。

USPTOがこのような情報を要求する電話をかけてくることは決してありません。実際、USPTOが支払いや社会保障番号、その他の個人情報を要求することはありません。商標の料金は、通常、商標電子出願システム(TEAS)を使用して支払う必要があり、システム停止などの稀な状況下においてのみ、ファックスまたは郵便で受け付けています。USPTOは電話での支払いを受け付けておらず、商標出願の際に社会保障番号を必要とする理由もありません。

今回は電話による詐欺行為に注目しましたが、その他の通信手段、例えば、テキストメッセージ、電子メール、手紙などに対しても同様の注意が必要です。これらで、送金や個人情報の提供を求めるものがある場合、特に注意して対応してください。

参考記事:Trademark Scams

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