Track One Prioritized Examinationを活用した特許出願が伸びています。その人気に応じて9月3日、特許庁は年間枠1万件から1.2万件に増やしました。Track Oneはもう1つの早期審査方法であるaccelerated examinationよりも必要条件が低く、比較的安価なので人気を集めているようです。
年間枠20%の増加
アメリカ特許庁の年度は9月末に終わるので、今回の2,000件の増加は新年度が始まる10月まで待たなくても Track One で特許を出願できるようにした配慮です。前回までは年間1万件でしたが、来年度からは1.2万件に増加されるとのことです。
人気の秘密は早さと権利化率
Track One Prioritized Examination は比較的安価な追加費用($4000 for large entities; $2000 for small entities; $1000 for micro entities)で、出願から12ヶ月以内に最大で2つの Office Actions を受け取れるシステムです。
現在、Track One を使った出願では、最初の Office Action まで出願からわずか3.5ヶ月、2つ目の Office Action(a Final Rejection, a Notice of Abandonment, or a Notice of Allowance)まで8ヶ月となっています。
通常の出願では最初の Office Action を受け取るまでに出願から約16ヶ月、2つ目の Office Action を受け取るまでに24ヶ月というのが一般的です。このように通常の出願に比べると Track One における出願はとても早いことがわかります。
さらに、Track Oneで出願された案件は出願からたった6ヶ月で権利化されるケースも珍しくなく、全体の53%の権利化が成功しています。この数字はTrack Oneの間に権利化されたものだけを含むので、Track Oneが終わってから権利化されるということもあります。
このようなトレンドを背景に、将来的に Track One で出願された案件の権利化率は Track One を使わないで出願された案件の権利化率を上回ることが予想されています。
まとめ作成者:野口剛史
元記事著者: Rory P. Pheiffer. Nutter McClennen & Fish LLP(元記事を見る)