アメリカのSoftware特許は日本のものと大きくことなります。特に最高裁判決Alice以降、どのようなものが特許法101に明記されている特許適格性(patent eligibility)を満たすのか継続的に裁判所で議論が展開されています。現在のところAlice判決が下された時に比べ、徐々にSoftware特許が許可されやすい環境になってきました。
最近の判例、Ancora Technologies v HTC Americaでは、CAFCは地裁の判決を覆し、クレームが有効だと判断しました。問題になっていたクレームは、地裁では、抽象的な内容(Abstract idea)として特許法101に明記されている特許適格性(patent eligibility)を満たさないと判断されましたが、CAFCでは、コンピュータのセキュリティを向上するためにコンピュータの特定のパーツに特定の能力を備えさせるもの(it assigned specific functions to specific parts of a computer to improve computer security)であるという理由から、特許適格性(patent eligibility)を満たすので、クレームは有効だという判断に至りました。
この訴訟でクレームを救ったのは、明細書に書かれている技術的な解決策でした。クレームされた発明によりどのような技術的な問題が解消されるかが明確に示されていたので、抽象的な内容として扱われず、特許適格性(patent eligibility)を満たすことができました。
まとめ
この判例や他のPost-Aliceの判例を見てみても、明細書内で技術的な解決策を強調することは大切です。特にクレームされている発明がどのように技術的な解決をもたらすのかを明細書で十分説明しておくことが、アメリカでのSoftware特許を取りやすくするヒントなのかもしれません。
まとめ作成者:野口剛史
元記事著者:Steven G. Saunders. Nutter’s Intellectual Property Department(元記事を見る)