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分割出願の「安全地帯」が縮小している

通常、分割出願をした場合、35 U.S. Code § 121 により、親出願や限定要求で派生する 関連出願と分割出願の間に自明性二重特許(obviousness-type double patenting)などの 問題は起こらない。

分割出願(divisional application)- 先に出願した親案件 (parent application)の 発明の一部を別途権利化するためにする子出願。先に出願した親出願の審査中に 限定要求(restriction requirement)がされることで行われることが多い。

しかし、過去10年間、この「安全地帯」に例外が多く発生している。

2008 年、Pfizer, Inc., v. Teva Pharmaceuticals, USA, Inc., 518 F.3d 1353 において、一部継続 出願 (CIP)はこの「安全地帯」の恩恵を受けられなくなった。

一部継続出願(continuation-in-part application: CIP 出願)− 先に出願した親案件 (parent application) で開示されていなかった新しい事項(new matter)を加えて 新たにする子出願。新たに加えられた事項について親出願の利益を受けることが できない。

2009 年、Amgen v. Hoffman-La Roche, Ltd., 580 F.3d 1340 において、継続出願はこの「安 全地帯」の恩恵を受けられなくなった。

継続出願(continuation application)— 新規事項を含むことなく、親出願の明細 書および図面を用いる子出願。明細書に書かれているが、親出願のクレームに記 載されていない発明を権利化できる。

2015 年、G.D. Searle LLC v Lupin Pharmaceuticals, Inc., 790 F.3d 1349 において、一部継続出 願の再発行で分割出願となった案件はこの「安全地帯」の恩恵を受けられなくなった。

2017 年、In re Janssen Biotech, Inc., No. 17-1257 と Janssen Biotech, Inc., v. Celltrion Healthcare Co. LTD., No. 17-1120 において、一部継続出願を再審査(reexamination)の際 に(新しい事項を取り除き)分割出願にした案件はこの「安全地帯」の恩恵を受けられ なくなった。

個人的には、親出願と子出願の間に自明性二重特許(obviousness-type double patenting)などの問題が出てくると、子出願の権利化がかなり難しくなるので、注意が 必要だと思う。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者:Sarah A. Kagan. Banner & Witcoff Ltd https://www.lexology.com/library/detail.aspx?g=c0c18c6a-3098-4308-b11e-41d8f892a130

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