Mayo判決後、診断方法特許の権利行使は困難を極める

最高裁で診断方法特許の特許性に言及したMayo v. Prometheus判決以降、アメリカにおける診断方法特許の権利行使は困難を極めています。 Athena Diagnostics, Inc. v. Mayo Collaborative Servs., LLCにおいて、CAFCは地裁の判決を是正し、権利行使されたクレームは不適格で無効としました。

背景

Athenaは今回問題になった診断方法特許のexclusive licenseeで、Mayoをその特許侵害で訴えました。しかし、地裁では35 USC § 101における特許適格性を満たしていないとしてクレームは無効という判決を下しました。その判決を不服とし、AthenaはCAFCに上訴。

しかし、CAFCでもAliceルールに従った分析をおこなった結果、クレームは無効という判決に至りました。

Aliceルールのステップ1として、CAFCは対象のクレームが特許対象外の概念であるという判断をおこないました。CAFCは、方法の一部には具体的な手順が記載されていたものの、全体を見た場合、抽象概念に関わるものであり、クレームは自然の理法の発見とそれを関知するための認知の技術を記載しているのみとしました。

次に、Aliceルールおステップ2として、CAFCはクレームに特許対象外の概念を特許対象に変えるような追加要項があるかを審議しましたが、そのような要項はなかったと結論づけました。その理由は、クレームに記載されていた手順は一般的なもので何も新しい要素がなかったからです。

まとめ

Mayo判決以降、アメリカにおける診断方法特許の権利行使が非常に難しくなってきています。アメリカで診断方法特許の権利行使やライセンスをおこなっている企業(またはそれを予定している企業)は現在の判例を考慮し、持っている診断方法特許が有効かを見極めてから権利行使やライセンスをおこなうことをおすすめします。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者:Joseph Speyer. McDermott Will & Emery (元記事を見る

OLCの米国知財ニュースレター

最新まとめ記事を
毎週メールボックスにお届け

登録すると、週1回、最新まとめ記事の概要とお知らせを受け取ることができます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

OLCとは?

OLCは、「アメリカ知財をもっと身近なものにしよう」という思いで作られた日本人のためのアメリカ知財情報提供サイトです。より詳しく>>

追加記事

coca-cola trademark
商標
野口 剛史

第三者商標出願をモニターする理由と効果的な方法

第三者の標出願をモニターすることは、自社の商標侵害の可能性を知る上で有効な手段の1つです。しかし、現実的なモニタリング戦略がないと、関連のない調査結果などで時間がとられてしまうので、しっかりとした戦略の上で、モニタリングを行うことが大切です。

Read More »
supreme-court
訴訟
野口 剛史

AIA on-sale bar問題最高裁で審議へ

2018年6月25日、最高裁は、AIAにおいて、秘匿の義務がある中での発明者による第三者への発明の販売は、発明の特許性を決める上での先行例となるのかという“on-sale bar”に関する問題に関し、Helsinn Healthcare S.A. v. Teva Pharmaceuticals USA, Inc.,で審議を行うことを示しました。

Read More »