自社製品の販売で特許が使えなくなる?!特許消尽の範囲が拡大

米国最高裁は、2017 年、Impression Products, Inc. v. Lexmark International, Inc., 581 U.S. ___ (2017)において、特許権者が特許製品を販売した場合、特許消尽は回避できないと した。また、判例では不透明だった契約制限や海外の販売先であっても、消尽の効果は変わらないとした。

特許消尽(the doctrine of patent exhaustion) − 特許製品が特許権者やライセン シーなどによって合法的に流通された後は、その製品に関する特許権はすべて使 い尽くされた(消尽した)と理解され、その製品について特許権を行使すること ができないという考え方。

この Lexmark 事件前にも、特許消尽の問題は最高裁で取り上げられたが、その時は、契 約で制限をつけることで特許消尽を回避できるか?については判決されていなかった。Quanta Computer, Inc. v. LG Electronics, Inc., 553 U. S. 617 (2008), United States v. Univis Lens Co., 316 U. S. 241 (1942).

しかし、この Lexmark 事件で、最高裁は、たとえ特許権者が販売後の使用や扱いに制限 (post-sale restrictions)をかけても特許は消尽するとし、購買契約等で特許消尽を回避 するという手段は取れなくなった。

また、Lexmark 事件前は、アメリカ以外の国での販売にも特許消尽が起こるのかが不透明だったが、著作権の海外での消尽を特許法にも適用し、販売先がアメリカ国内でも海 外でも消尽の効果は変わらないとした。

判例のQuanta 事件と今回の Lexmark 事件を合わせると、特許権者がクレームされたモ ノや方法に関わる重要な部品をアメリカ国内・国外を問わず販売した場合、特許消尽が起こることになる。特許消尽の範囲は拡大したが、消尽しないケースも考えられる。例えば、特許消尽は、商品・サービスを「ライセンス」する形にすれば回避できるかもしれない。(例、ソフトウェアなど)。また、不正販売(例、ライセンス先が契約違反をして製品を製造・販売など)の場合も特許消尽を回避できる可能性がある。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者:Charlene M. Morrow, Armen N. Nercessian. Fenwick & West LLP (元記事を見る

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