特許適格性に対するUSPTOと議会における取り組み

2019年は特許法101に明記されている特許適格性(patent eligibility)に関して大きな進展がありそうです。Alice判決以降、特許適格性はSoftware特許に対する大きなハードルになっています。そのことを受け、2019年に向け議会やUSPTOでも様々な取り組みがおこなわれています。

議会では、Senators Coons (D-Del) と Thom Tillis (R-N.C.)がホストする会議が12月12日におこなわれ、特許適格性の定義に関する議題が話されました。この会議には、テクノロジーを代表する企業(Google, Amazon, Apple, Qualcomm)やlife sciences industry groups (PhRMA, and the BIO)なども参加しました。特許に対する見解は、テクノロジー企業と生命化学企業では大きくことなります。テクノロジー企業は技術を自由に使いたいため特許の効力を弱めたい企業が多いです。それとは反対に、製薬会社などの生命化学企業はR&Dに膨大な費用がかかるのもの薬自体は比較的簡単でGenericメーカーでも作れてしまうので、特許の効力を強いものにしたいという考え方をもつ企業が多いです。なので、テクノロジー企業と生命化学企業の両方が納得する特許システムというのはなかなか構築しづらいですが、これは歩み寄りを実現させる第一歩として評価するべきだと思います。

また、USPTOの所長であるIancu氏も新しい特許法101についてのガイドラインの作成を進めています。Alice判決は2つのステップで特許適格性(patent eligibility)を判断しますが、各ステップごとに実務レベルでの具体的なガイドラインの作成が求められています。

まとめ

議会におけるSTRONGER Patents Actなどの法提案を見ると、もしかしたら2019年には議会主導で特許適格性(patent eligibility)に対する大きな変更があるかもしれません。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者:Scott A. McKeown. Ropes & Gray LLP(元記事を見る

OLCの米国知財ニュースレター

最新まとめ記事を
毎週メールボックスにお届け

登録すると、週1回、最新まとめ記事の概要とお知らせを受け取ることができます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

OLCとは?

OLCは、「アメリカ知財をもっと身近なものにしよう」という思いで作られた日本人のためのアメリカ知財情報提供サイトです。より詳しく>>

追加記事

secret
商標
野口 剛史

DTSA下の一方的な押収事例(施行から2年)

2016年のDefend Trade Secrets Act (DTSA) 施行から2年が経ちました。DTSA により、いままで州法で州ごとに守られていた企業機密を連邦法でも取り締まるようになりました。また、DTSA は、州法では認められていなかった一方的な押収(ex parte seizure)も認めています。今回はこの一方的な押収の事例を紹介しながら実際に適用できる条件を見ていきましょう。

Read More »
rejected-trash
特許出願
野口 剛史

Enablementに対する主張がクレーム範囲を狭める結果に

特許審査中に特許権者が主張した内容は、訴訟の際のクレーム解釈の際に考慮され、クレームの適用範囲を大きく変えることがあります。今回の判例では、特許権者が審査中に主張したEnablement違反に対する反論が訴訟の際にクレーム範囲を狭めることになり、結果として非侵害判決の決定的な原因となってしまいました。

Read More »