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特許クレームのPreambleに関するアドバイス

アメリカの特許法において、特許クレームのPreambleはクレームに一定レベルの意味を与えない限り(gives life, meaning, and vitality to the claim)、原則クレームを限定するものではありません。今回はこのPreambleが問題になった案件を参考にこの考えがどのように適用されるかを見ていきます。

今回取り上げる案件Arctic Cat Inc. v. GEP Power Products, Inc. (March 26, 2019) では、“personal recreational vehicle”というPreambleに使われた言葉がクレームの範囲を“personal recreational vehicle”に限定するものなのかが問題になりました。

Preambleとは、特許クレームの一番最初に書かれている部分で、クレームの本文(Body)の前に記載されるものです。

今回の案件では、IPRの際に、特許権者であるArctic Catが先行例文献を回避するため、対象特許クレームの範囲は“personal recreational vehicle”に限定されると主張しました。しかし、PTABではその主張は受け入れられず、対象クレームはPreambleに書かれている“personal recreational vehicle”に限定するものではないという判決が下されました。

この案件はCAFCに上訴されましたが、CAFCでもPTABの判決を支持し、以下の点においてクレームが“personal recreational vehicle”に限定するものではないことを示しました。

  • preambleは“personal recreational vehicle”という使用についてしか言及していないこと
  • preambleがクレームの本文に記載されている以上の構造要件について言及していることを特許権者が示していなかったこと
  • 出願時にpreambleである“personal recreational vehicle”を用いて先行例文献との差別化をおこなっていなかったこと
  • preambleである“personal recreational vehicle”がクレームに明記されている用語の先行基礎(antecedent basis)になっていないこと

まとめ

Preambleの解釈は案件の事実によって異なりますが、この判例はクレーム作成やその後の権利行使の際の主張に役立つものです。Preambleがクレームを限定するものなのか否かを判断する上で、今回CAFCがこの判例で触れたポイントは重要な考察点になるでしょう。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者:Christina Sperry. Mintz(元記事を見る

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