Visual representation of the Patent Eligibility Reform Act (PERA) of 2023, featuring the Capitol Building, a gavel, patent documents, and technology icons, symbolizing a significant step towards clarifying the U.S. patent system and legal reform

特許適格性改革法案のPERAの概要と議会での進捗

上院司法委員会が特許適格性の問題解決に向けて重要な一歩を踏み出し、2023年に特許適格改革法案であるPERAついての証言を聴取しました。この法案は、従来のAliceテストの変わりに分類的アプローチを用いることで、特許可能な主題に関する長年の混乱を解消し、米国特許制度を明確化させる狙いがあります。しかし、PERAが立法化されるかは議会次第であり、具体的な進捗が今後あるかはまだ不明です。

注目される特許適格性改革法案 PERA

2024年1月23日、上院司法委員会の知的財産小委員会は、特許適格性 (patentable subject matter) を改革する画期的な提案である2023年特許適格性回復法(Patent Eligibility Restoration Act of 2023 (PERA))について、8人の証人から証言を聴取しました。

PERAは、昨年6月に上院に提出され、35 U.S.C. 第101条に基づく特許可能な主題を難解にしているルールを明確にすることを目的としています。101条は、米国特許制度の下で特許保護の対象となる主題を規定するものです。現状では、101条の条文は欺瞞的なほど単純で、合計わずか36語です:「新しくて有用な方法、機械、製造、組成物、またはそれらの新しくて有用な改良を発明または発見する者は誰でも、本タイトルの条件および要件に従い、その特許を取得することができる」。

しかし、この簡潔さにもかかわらず、あるいは簡潔であるがゆえに、101条は発明者、特許実務者、さらには裁判官にとって長年にわたる混乱とフラストレーションの原因となってきました。法案の共同提案者の一人であるトム・ティリス上院議員は、連邦巡回区控訴裁判所の現職裁判官12人が、特許適格性の状態を嘆いていることを指摘しています。PERAは、裁判上の特許適格性の例外を一掃し、特許可能な主題を決定するための明確な法的分類を提供することにより、特許保護の対象となるものの分析を簡素化しようとするものです。

混乱と不確実性の原因である特許適格性とAliceテスト

現在、特許適格性は、2012年と2014年の有力な最高裁判決であるMayo Collaborative Services v. Prometheus Laboratories, Inc.Alice Corporation Pty.Ltd. v. CLS Bank Internationaにに由来する2段階の「Aliceテスト」によって決定されます。何かが特許適格であるかどうかを分析するには、まず、関連する発明が抽象的なアイデア(ビジネスを行う方法のような)や自然現象(重力のような)のような「特許不適格な概念」に「向けられている」かどうかが判断されます。このテストの最初の部分に対する答えが「いいえ」なら、その発明は特許としての適格性を有すると判断されます。しかし、答えが「はい」であったとしても、クレームされた発明を適格な出願に「変換」することができる「発明概念」が含まれていれば、その発明は特許としての適格性を有する可能性があります。

Alice判決以来数年間、米国特許庁と連邦裁判所はこの2段階分析の一貫した適用に苦慮しており、発明者、米国の技術革新に投資しようとする企業、訴訟当事者、および特許制度のその他の利害関係者は明確な指針を得られないままでした。特に、人工知能、機械学習、電気自動車のようなソフトウェアを多用する分野では、この分野の発明が「抽象的アイデア」とみなされる可能性があるため、最先端の開発に対する特許保護の可否が不透明であるという大きな課題も抱えています。

この不確実性により、一部のイノベーターは特許による保護を避け、代わりに企業秘密、著作権、契約による保護を利用してこのような技術を保護しています。しかし、企業秘密は守秘義務を負わなければならないため、特許の独占権と引き換えに特許出願で開示しなければならないはずの発明に関する重要な情報に外部から自由にアクセスできなくなります。そうなると社会全体におけるイノベーションのサイクルを維持することが困難になってしまうという問題が出てきます。

PERAは特許適格性の問題に分類的アプローチを採用

この問題に対処するため、PERAは101条を改正し、数式、精神的プロセス、未修飾のヒト遺伝子など、特許が不適格とされる個別の分野を設ける予定です。法案の101条に対する他の修正案では、現在論争の的となっている非適格分野にいくつかの例外が設けられます。ビジネス方法は、「機械や製造物を使用しなければ実際的に実行できない」場合には特許を取得することができ、遺伝子は、人間の活動によって単離されたものであれば「未修飾」とはみなされません。このような適格性に関する分類的アプローチは、アリスの枠組みを簡素化し、取って代わるものになります。

しかし、この法案に反対者がいないわけではありません。特許実務家や利害関係者は、特許適格性の改革が急務であることにほぼ同意していますが、PERAは、単離された(そうでなければ未修飾の)遺伝子やビジネス方法など、これまで精査の対象であった分野全体に特許保護を与えることで、適切なバランスを取ることに失敗しているとの意見もあります。1月23日の公聴会では、ハイテク業界やバイオテクノロジー業界を代表するパネリストが、ハイテク発明家連盟のデビッド・ジョーンズ氏の言葉を借りれば、PERAが「ほとんどすべての人間の活動を特許の対象とする」ことによって、技術革新を奨励するどころか、むしろ阻害することになるとの懸念を表明しました。

法律が改正されるかは議会次第

議会が101条の改正を提案するのは今回が初めてではありません。今回の提案が単なる既視感なのか、それとも有意義な改革につながるのかはまだわかりません。

参考記事:United States: Congress, industry weigh patent eligibility reform 

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