組み合わせの動機のない自明性

通常、特許庁が特許法103における自明性において特許出願を却下する場合、審査官は先行例文献の組み合わせの動機(motivation to combine)を示す必要性があります。しかし、Realtime Data, LLC v. Iancu (Fed. Cir. 2019)において、特定のケースの場合、そのような組み合わせの動機を示す必要はないとしました。

問題になったPTABにおける自明性の判定:

このRealtime Data, LLC v. Iancu (Fed. Cir. 2019)で問題になった案件において、PTABは2つの先行例文献から自明性の判定を下しました。PTABは、1つ目の文献は問題となったRealtimeのクレーム1で開示されているすべての要件を教示しているとし、2つ目の文献は、 1つ目の文献で開示されている“string encoding”というものが クレームされている“dictionary-based encoding”と同等のものだということを表すために使われました。

CAFCへの上訴と特許権者の主張:

このPTABの判断を不服に思ったRealtimeはCAFCに上訴、特許権者であるRealtimeは自明性を示すために重要な組み合わせの動機をPTABは示していないので、クレームが自明であるという判断は適切でないと主張しました。

CAFCの判決

しかし、CAFCは特許権者の主張を退き、今回の案件において2つの文献を組み合わせて自明性を示してはいないので、組み合わせの動機は示す必要はないとしました。この案件では、2つの文献をあわせるのではなく、2つめの文献は1つめの文献の説明を補助するために使われたとしました。

CAFCは、今回の案件において、自明性よりも進歩性 (anticipation)によるクレームの無効判断の方が好ましいとしましたが、今回のような自明性によるクレーム無効判断も有効だと結論づけました。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者: Dennis Crouch. Patently-O (元記事を見る

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