メタバースは徐々に注目を集めてきていて、将来的に、私たちの世界と同じように、デジタルアバターとして社会生活を送り、仕事をし、遊ぶことができるもう1つの場所として人々の生活に定着することが期待されています。
ブランドとの関連性
では、メタバースが今後流行るかもと注目されていところで、ブランドはそれを気にかけるべきなのでしょうか?答えは「イエス」だと思います。ブランドの拡大やデジタル資産の収益化に関して、これまで手の届かなかったオーディエンスや、おそらくはこれまでアクセスできなかった地理的な場所で活動できるので、可能性は無限大です。
メタバースは、現時点では「本業には関係ないもの」に見えるかもしれませんが、すでに大手ブランドの一部は、仮想の商品やサービスに関連する商標の保護を求めることに積極的で、注目しています。例えば、McDonalds、Nike、Vineyard Vines、そしてLebron Jamesまでもが、すでに仮想商品および/またはサービスに関する記述を含む出願を行っています。その理由は、未来的にメタバースが普及して、多くの人が活用するような存在になっても、既存の商標だけでは、メタバース内のブランド保護が十分にできないからです。
このような有名ブランドによるメタバース関連の商標出願が公知のものになってくることによって、この種の商標の出願件数が大幅に増加しており、今後も更に出願件数が増えることが予想されます。
積極的に行動する
バーチャルな世界が物理的な世界に取って代わるという議論は大げさですが、ブランドは、デジタルフットプリントを拡大する驚くべき可能性を秘めたメタバースに積極的に関与することで、大きな利益を得られる可能性があります。そのためには、ブランドは、メタバースに向けたマーケティング、オペレーション、製品・サービス提供の戦略を計画し、投資する必要があります。ブランドのビジネス目標や目的が、この新しい人とのつながり方によってどのように進化していくのか、また、どのような層や消費者タイプに向けてマーケティング活動を行うことができるのかを、首脳陣は検討する必要があります。物理的な世界の制約が、もはや制限要因になることがない時代に突入するのかもしれません。
保護を求める
メタバースは、ブランドがリーチを広げ、飛躍的に成長するためのユニークな機会を提供しますが、仮想世界における商標権侵害や偽造など、新たな法的問題を引き起こすことも避けられません。
将来の苦労を少しでも軽減するために、バーチャル領域に関連する商品やサービスについて、強制力のある商標を保護するのが今できる賢い動きなのかもしれません。予防は治療よりも高価が大きいのと同じように、なるべく早く対策を行い、競合他社よりも有利な立場を築くことが今できる最大の努力なのかもしれません。
参考文献:The rise of the metaverse and what brands need to do now