ITCが黒塗りが多すぎる和解契約を拒否

ITCが和解に基づく調査の終了の申し立てを、規定に満たしていないとして拒否しました。和解契約には公開したくない情報も含まれていますが、黒塗りを必要以上おこなってしまうと、ITCが調査の終了の申し立てに応じないという問題が発生してしまいます。

ITC調査中に1社と和解が成立

In re Certain Child Carriers and Components Thereof, Inv. No. 337-TA-1154, Order No. 11 (May 23, 2019)において、LILLEbabyが27社にも及ぶ会社を対象にITCへ輸入品の特許侵害の調査を依頼します。調査が進む中、LILLEbabyは調査対象になっていた1社Britax Child Safety, Inc. (“Britax”)と和解に至ります。その和解により、Britaxに対するITC調査の終了を終了させるために、LILLEbabyとBritaxは共同で和解に基づく調査の終了の申し立てをおこないました。

行き過ぎた黒塗り

しかし、行政裁判官であるALJ Cheneyは、調査の終了のための条件を満たしていないとして、その申し立てを退けます。ALJ Cheneyは、公開用の和解契約には19 C.F.R. § 201.6(a)で許されている機密事業情報の黒塗りを遙かに超えた内容が非公開になっているので、現行の公開用の和解契約は不適切だとしました。

19 C.F.R. § 210.21(b)(1) に基づき、調査の終了をするには、黒塗りがされていない和解契約書と公開用の黒塗り部分がある契約書の両方をITCに提出する必要があります。公開用の和解契約書には黒塗りができますが、19 C.F.R. § 201.6(a)で定義された機密事業情報(confidential business information)に限られています。

ALJ Cheneyは、LILLEbaby CEOの名前、 Britax Presidenの名前など明らかに機密事業情報ではないものに対しても黒塗りがおこなわれていたことを重く見て、提出された和解契約書は19 C.F.R. § 210.21(b)(1) で定められている条件を満たしていないとし、調査の終了はできないとしました。

この申し立ての却下と同時に、ALJ Cheneyは、定められたルールに対応するよう公開用の和解契約書を作り直し、再度申し立てをおこなうよう命じました。

教訓

ITC調査の終了にはITCの了承が必要です。和解に至った場合であっても、ITCに提出する和解契約書は19 C.F.R. § 210.21とpublic interestに悪影響を与えないものである必要があります。特に、和解契約書に黒塗りを施す場合、19 C.F.R. § 201.6(a)で定義された機密事業情報(confidential business information)に限られているので、過剰な黒塗りは控えた方が良さそうです。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者:Robert Levent Hergüner, Mónica Peña Islas, John Cooper and David M. Maiorana. Jones Day(元記事を見る

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