米国のITCは、Googleが家庭用オーディオ会社Sonosのスマートスピーカーに関する特許を侵害する製品を輸入することを禁じました。しかし、特許の侵害を避けるために設計し直した製品の輸入を禁じられることはないとしています。
米国国際貿易委員会(ITC)は、2022年1月8日、Googleのオーディオ製品がSonosの5つの特許を侵害しているとした8月の決定を支持し、Googleが「ネットワークスピーカー機器」とそれを制御できる携帯電話やラップトップなどの機器を輸入することを禁止しました。
しかし、Googleが特許侵害を避けるために設計し直した製品の輸入は禁止されないとしているので、Googleの広報担当者は、今回の判決が同社製品の輸入や販売に影響を与えるとは考えていないと述べています。
SonosとGoogleはスマートスピーカーに関して共同開発を行っていました。しかし、以前紹介したように、その関係が破綻し、訴訟沙汰になっていました。
そして、両社は2020年以降、カリフォルニア、カナダ、フランス、ドイツ、オランダでの裁判を含む、マルチルームオーディオ技術をめぐる世界的な特許戦争を行っているとのことです。
すでに販売済みでこのITCの判決に影響を受けるデバイスは、Google HomeとNest Hub (2nd Gen)です。また、スピーカーグループにJBLやLenovoなどの他社製のGoogle Cast搭載機器が含まれている場合、それらの機器のCastファームウェアバージョンをアップデートする必要があるとのことです。
Googleに比べて規模がとても小さいSonosが今回米ITCで勝利を収め、輸入禁止判決まで持ってきたことは、評価されるべきことだと思います。しかし、このITCの決定に関してGoogleがCAFCへ上訴する確率が高いので、今回の決定でこの訴訟が終わったと言うのは早すぎるかもしれません。
また、輸入禁止にできたものの、侵害回避のデザインが認められ、ソフトウェア・アップデートで回避可能になるようなので、Googleにとっては致命傷にならない程度のダメージで済んでいるのかもしれません。
参考文献:Sonos wins Google import ban ruling in U.S. patent fight