特許権者の訴訟悪用のパターンが費用肩代わりを是正か?

アメリカでは自身の弁護士費用は自己負担になります。原則、訴訟に勝ったとしても、弁護士費用などは相手に請求できませんが、例外があり、その例外に該当するようなケースの場合、費用の肩代わり(Fee shifting)が認められることがあります。

Blackbird Tech LLC v. Health in Motion LLC, No. 2018-2393 (Fed. Cir. Dec. 16, 2019),において、CAFCは地裁の35 U.S.C. § 285 における弁護士費用の支払い(fee shifting)の判決を是正しました。この件において、CAFCは特許権者の訴訟行動は、理不尽であり、侵害主張もまったくメリットがないため、このような訴訟を悪用する動きを抑制するためにも地裁におけるFee shiftingの命令は正しいとしました。

CAFCは、Blackbird Techの訴訟内容、Document productionにおける理不尽な遅れ、公判の直前に予期しない訴訟の取り下げなどの行為を重く見ました。そのため、本来35 U.S.C. § 285 における弁護士費用の支払い(fee shifting)に必要な訴えられた側の証拠提出の条件は必要ないという結論に至りました。

今回のCAFCの判決は将来の訴訟悪用を抑制するものだと発言している点が面白いところです。というのも、今回弁護士費用の支払いを命じられた特許権者であるBlackbird Techは100件以上の訴訟を行っていて、まだ最終判決が下されていません。このような状況を見ると、他のBlackbird Techの訴訟にも影響があると言わざる終えません。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者: Regan Rundio. Finnegan, Henderson, Farabow, Garrett & Dunner LLP (元記事を見る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

追加記事

最近では猫ミームなど、ミームはインターネットカルチャーの定番となっていますが、その広範な配布は著作権や知的財産権に関する重要な問題を提起しています。このブログでは、ミームに関連する著作権法の複雑さについて掘り下げ、クリエイターとユーザーが著作権侵害、フェアユース、所有権といった知的財産に関わる問題をどのようにナビゲートするのかを探ります。
特許において、特許発明者の正確な特定は極めて重要です。Tube-Mac Indus., Inc.vs Campbell事件は、特に特許への貢献が複数の当事者からなされた場合に、発明者の定義とすべての発明者を特定する重要性を再認識する好例です。この記事では、このケースの分析を通じて、課題解決した当事者の重要性と共同発明者を特定するアプローチについて掘り下げます。
ニューヨーク州弁護士会はAI技術の法的・倫理的影響に対する新ガイドラインを提供しました。このガイドラインは、弁護士によるAIの適切な利用と潜在的リスク管理に焦点を当て、今後のAI法律業務における教育と規制の強化を推奨しています。80ページにもわたるレポートには、AIが今後どう弁護士業務を変えていくかについて詳細に書かれており、今後NYだけでなく、アメリカの各州におけるAIの弁護士倫理ガイダンスに大きな影響を与えることが予想されます。