CAFCにおいてPTABから上訴された案件が是正されるのは4件中3件。PTABよる判決が一部棄却、無効になる案件は4件中1件。これが現在の統計データです。当然、個別案件がどう扱われるかは案件の事実や判決内容、手続き等によって変わりますが、統計的には上訴しても全体の75%の判決は変わらないことを覚えておくといいでしょう。
2018年9月15日現在、CAFCはPTABによるIPRやCBM手続きの上訴418 件を扱ってきました。CAFCがPTABの判決を支持した案件は310 件で全体の74.16%にあたります。棄却、無効になった案件は53 件で全体の12.68%。 その間の結果(つまり少なくとも1つの問題に対してはPTABの判決を支持したが、すくなくとも1つの問題に対して棄却・無効になった)は、40 件で全体の9.57%でした。
CAFCは約15 件(3.59%) の上訴を棄却。これは、CAFCが管轄を持っていないと判断した件や、和解などが原因で棄却になったものが多いとのことです。
CAFCに上訴できるもの、できないもの、今後のトレンド予想
最高裁判決Cuozzo Speed Techs., LLC v. Leeにより、35 U.S.C. § 314(d)に関連する一部の判決はCAFCに上訴できません。しかし、 CAFC en banc 判決のWi-Fi One, LLC v. Broadcom Corpにより、 IPRの提出期限に関わる35 U.S.C. § 315(b) に関する判決は、CAFCに上訴できるようになりました。この判決により今後も、35 U.S.C. § 315(b) に関わる案件が増えてくると思われます。また、最高裁判決SAS Institute Inc. v. Iancuの影響で、CAFCへ上訴される件数が増えると予想されています。
CAFCの対策
このように大量の上訴をこなすのに、CAFCはPTABからの上訴に対してRule 36 affirmanceを多様しているとのことです。このRule 36 affirmanceは、詳しい判決文を書かずにPTABの判決を支持するもので、192 件 (45.93%) に適用されました。
IPR
IPRからの上訴に対して、CAFCがPTABの判決すべてを支持した案件は、285 件 74.22%)に登り、すべての判決を棄却、無効にした案件は5件(13.02%) 、その間の結果が38 件 (9.90%)で、上訴の破棄が11 件 (2.86%) でした。
CBM
CBMからの上訴に対して、CAFCがPTABの判決すべてを支持した案件は、25 件(73.53%) に登り、すべての判決を棄却、無効にした案件は4 件(11.76%) 、その間の結果が2 件(5.88%)で、上訴の破棄が3 件(8.82%) でした。
まとめ作成者:野口剛史
元記事著者: David C. Seastrunk, Daniel F. Klodowski, Elliot C. Cook and Jason E. Stach. Finnegan, Henderson, Farabow, Garrett & Dunner LLP (元記事を見る)