プログラムが開始されたときに説明しましたが、アメリカで審判(ex parte appeal)を検討しているのであれば、Fast-Track Appeals Pilot Programを活用してみるのはどうでしょうか?最近リリースされたUSPTOの統計によると審判の期間が劇的に短くなっているので、今年7月までですが活用する価値がありそうです。
通常13~15ヶ月かかる手続きが1.9ヶ月に
このプログラムは2020年7月2日に始まり、現在は2021年7月2日まで、あるいは、500件の審判がプログラムに受理されるまで実施される予定です。PTABで係属中のex parte appealがこのプログラムの対象となるので特許出願人は、PTABへの審判を迅速に行うための選択肢の一つとして、このプログラムを覚えておくといいでしょう。
このFast-Track programは、参加してから6ヶ月以内にPTABの決定を迅速化することを目的としています。PTABにおける審判は、USPTOの統計によると、判決までに通常13~15ヶ月かかります。しかし、このFast-Track programを使うと、PTABの判決は平均で1.9ヶ月後に出されています。プログラムへの受入れも迅速で、申立書提出から平均1.5日で受理されているようです。USPTOのページでは、現在のプログラム受理数や残りの数も記載されているので、参考にしてみてください。
現在PTABで係属中の案件ならファストトラックプログラムを考慮するべきかも
ファストトラックプログラムへの出願要件は以下の通りです。
- 特許出願は、original utility, design, or plant nonprovisional applicationであること
- 出願は、現在PTABに係属しており、すでにdocketing noticeが発行されている
- 出願が現在MPEP§708.01の下で特別扱いされていない
- プログラムへの受入れのための請願書を提出する
- 420ドルの手数料を支払う
ファストトラックプログラムの特別なステータスは、審判期間中の出願にのみ適用されますが、可能な限り迅速に出願を審査に進めるための有用なツールであることに変わりはありません。Fast-Trackプログラムの詳細は、USPTOの特設ページを参照してください。
参考記事:”Expediting PTAB Appeals Using the Fast-Track Program” by Christina Sperry. Mintz