ファッションのデザイン特許保護

デザイン特許はファッション系のビジネスともとても相性がいい知的財産権です。そのためか多くのファッションブランドから意匠特許が出願されています。今回は、実際の意匠特許も参照しながら、意匠特許の説明を行います。

2020年5月12日、USPTOは700件以上の新規意匠特許を発行しました。ファッション関連のデザインは、眼鏡などのアクセサリー(米国意匠特許第D884,062-D884,067号参照)、宝石、時計、宝石(D883,835-D883,852)、靴関連のデザイン(D883,617-D883,650)などの新規特許付与の中でも特に目立っていました。また、「ユーティリティグローブ」(D883,610)、「ブラジャー」(D883,611)、「ガーメント」(D883,612)、「スワドルサック」(D883,613)、「ボディスーツ」(D883,614)、「シャーリング付きリラックスフィットドレス」(D883,615)、「金具付きショートカフタン」(D883,616)についても意匠特許が付与されています。

意匠特許は、実用性や物品の機能ではなく、物品の外観や装飾的な外観を保護するものです。意匠特許出願の主題は、成形品の形状、成形品の表面装飾、または形状と表面装飾の組み合わせを対象とすることができます。

米国では、意匠特許出願は、物品の図面に示された単一のクレームのみを含みます。成形品のクレーム部分は、実線で図示されます。折れ線は、ステッチや折り線のようなクレームされたデザインの一部を説明するために、またはデザインを具現化した物品が使用される環境を説明するために使用することができます。

意匠特許の有効期間は付与日から15年であり、また、意匠特許出願の準備や出願費用が特許に比べて比較的安価であることから、意匠特許出願は、製品の外観や外観が重視される産業分野で特に有用です。上述の最近の意匠特許付与の例に見られるように、ファッション産業における意匠特許は、悪質な競争相手による模倣の可能性から衣類、靴、宝石、その他のアクセサリーを保護するのに有効です。

解説

有名なApple v. SamsungでAppleのデザイン特許が注目されて以来、アメリカにおける意匠特許出願は人気を集めています。特に、ファッション系は多種多様なものが出願されています。

そして、意匠出願が増えれば、当然訴訟も増えます。数日前にツイートした訴訟案件は、ファッション系の業界の競合他社同士で、靴のデザインが焦点になっています。

実際の意匠特許や侵害が疑われている商品を見てみると、実感が湧くと思うので、上記のデザイン特許やツイートに書かれている情報を見てみて、自社の意匠出願を考えるときに参考にしてみてください。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者:Peter Law, Jason J. Jardine and Catherine Holland. Knobbe Martens(元記事を見る

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