デザイン特許の機能性と有効性の問題

Automotive Body Parts Association v. Ford Global Technologies, LLC, No. 2018-1613 (Fed. Cir., July 23, 2019)において、デザイン特許で保護されている対象の機能性とデザイン特許の有効性の関係が問題になりました。

対象はFordのトラックに使われるパーツに関わるデザイン特許です。

デザイン特許は“new, original and ornamental design for an article of manufacture”である必要があります。 35 U.S.C. § 171(a)。また判例により、機能的なデザインは、装飾性(ornamental)に欠けているのでデザイン特許で保護するのは適切ではないという考えが一般的です。Utility patents(一般的に言う特許)は、機能性がなければ特許にならないので、装飾性というのはデザイン特許とUtility patentsの大きな違いです。

機能的な要素があってもデザイン特許としては有効ですが、デザインそのものが「主に機能的」(“primarily functional”)なものはデザイン特許で保護できません。また、特定のデザインが製品や部品の使用に必須なものであれば、そのようなデザインもデザイン特許で保護はできません。L.A. Gear, Inc. v. Thom McAn Shoe Co., 988 F.2d 1117, 1123 (Fed. Cir. 1993)

今回のAutomotive Body Parts Association(ABPA)によるFordのデザイン特許に関する訴訟もこの機能性とデザイン特許の有効性に関わる話です。具体的にはFordのトラック用のフードとヘッドライトに関するデザイン特許の有効性が問題になりました。

今回の判決で、CAFCは代替デザインが有無を重視しました。デザイン特許で保護されている部分の代替デザインが多数あれば、それだけ保護されているデザインの「機能性」という部分は弱くなります。実際に、トラック用のフードとヘッドライトは複数あるので、そのような代替デザインの存在が、デザイン特許の有効性を高める有効な証拠になりました。

また、今回対象となったフードやヘッドライトの装飾部分はエンジニアではなくデザイナーが主導でデザインされたという開発過程の流れも保護部分の装飾性を強調する証拠となりました。

まとめ

アメリカにおけるデザイン特許の価値は日に日に上がっています。それに伴い今後もデザイン特許関連の訴訟も多くなることが予想されます。そこで問題になりそうな点はデザイン特許で保護されているものの機能性です。機能性があるか否かについては、代替デザインの存在や開発がどのように行われたかにも関わってきます。デザイン特許を取得する際は、将来の訴訟を見据え、そのような代替デザインや開発過程もドキュメントすることも大切になってくるでしょう。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者: Susan B. Meyer. Gordon Rees Scully Mansukhani (元記事を見る

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