ドクガク先生の「弁理士の日記念ブログ企画2021」に参加させていただきました。
声をかけられたときは何なのかと思ったのですが、7月1日は弁理士の日なんですね。そのイベント企画ということで、おもしろそうなので参加しました。
今年のテーマは、「知財業界での夢と希望」とのこと。
私は日本での業務経験がない変な知財業界の人間ですが、そのユニークな観点から、「知財業界での夢と希望」について少し考えてみた。
何気ないことが知らない間に生かされている
今回のタイトルにした「コネクティング ザ ドッツ」。
これは2005年にAppleの創設者スティーブジョブズがスタンフォード大学の卒業式の演説したスピーチで語ったことです。
有名なスピーチなので、知っている方も多いかもしれませんね。
Appleというとてつもない企業を作り上げたスティーブジョブズですが、彼がしてきたたくさんの寄り道が、Appleの成功につながったと話していました。
何気もない出来事や過去の経験の1つ1つの点が、後で思いがけない形で活きてくる。それが、「点と点をつなぐ」(コネクティング ザ ドッツ)の意味です。
私も、今はアメリカで特許弁護士として働いていますが、これも「たまたま」というか、狙って今の職業についていないというのがあって、そこが人生の面白いところかなと思っています。
私がアメリカで特許弁護士として働き始めた経緯は、まとめるとこんな感じです:
- 高校時代に1年イギリスに留学して、英語に無理やり慣れる
- 大学からアメリカに留学して、NASAの研究者をめざす
- 大学で苦しみながらも何とか卒業できたが、ビザの関係でNASAで働けないことを知る
- 卒業しても就職先がなく絶望しているときに、今の日系の会社に雇われる
- たまたま「知財部」に配置されたので、そこで初めて知財と触れる
- そこから就労ビザの取得と雇用維持の条件のため、Patent Agentの試験を受けることに
- 1回落ちて首切りのリスクを抱えつつ、何とか2回目で合格して、何とか生き残る
- その後も同僚が全員「特許弁護士」なため、弁護士になるためにロースクールに行けと常にプレッシャーをかけられる
- そのプレッシャーに負けて、会社で働きながら夜間にロースクールに行くことになったが、仕事と勉強の毎日の地獄の4年間を過ごす
- 卒業できたと思えば、最大の難関、司法試験へのプレッシャーで押しつぶされそうになりながら、仕事と勉強をこなす日々
- 無事に合格し、特許弁護士になって、現在に至る
こんな感じで、知財にもともと興味があったわけでもない自分が、いま知財業界で活躍できているのも、こんな何気ない出来事(や周りのプレッシャー?)のおかげだったりします。
面白いことを今、全力でやる
今までは強制イベント的なものもありましたが、やってるときはゲーム的な要素を見つけながら、全力で取り組んでやっていました。
今はある程度自由な環境にいるので、自分が面白いと思うことを全力でやるようにしています。
このアメリカ知財のブログも誰もやってないし、おもしろそうだからという形で見切り発進して、今に至っています。
コロナが始まった去年の5月ごろからは、アメリカの知財に特化したオンラインサロンもやっています。
最近では、クラブハウスで、他の日系の特許弁護士さんたちとアメリカの知財に関する配信を定期的におこなっています。
これらは勢いで始めただけであって、計画性もなにもないのですが、すでに思いがけない出会いや経験をさせてもらっています。
知財業界は、伸びしろしかないと思ってます。でも、何がどう「バズる」かは僕にはわかりません。だったら、自分が面白いと思ったことを、今すぐ、全力でやってみる。
それが僕が考える「知財業界での夢と希望」だったりします。