クレームのPreambleには気をつける

大部分の特許において、クレームのPreambleは特に重要なものとして扱われていません。しかし、場合によっては侵害や有効性を左右する重要な条件の1つになりえます。

Preambleとは?

Preambleとは、特許のクレームの始めに書かれているもので、transition phrase であるcomprising, consisting of, consisting essentially ofなどの直前までの文言(e.g., A system comprising, An apparatus comprisingなど) を指します。

抽象的なsystem, apparatus, methodなどの言葉は特に何も限定しませんが、Preambleがより具体的で、クレームの要素に関わるような物である場合、クレーム範囲が限定される場合もあります。

Preambleがクレーム範囲を限定し、先行例文献を回避した案件

In Re Fought, No. 2019-1127 (Fed. Cir. Nov. 4, 2019)は、”travel trailer”というPreambleがクレーム範囲を限定し、先行例文献を回避した案件です。

この案件では、USPTOの審査官とPTABは、Cargo trailerとShipping containerの先行例文献によりクレームが予想される(anticipated)とされました。しかし、CAFCでは、このanticipation rejectionが覆ります。

CAFCは、Preambleに書かれている “travel trailer”は目的用途を示しているのではなく、 “travel trailer”を牽引できることと住居設備の必要性を示しているのであり、構造的な要件(structural requirements)であるとし、Preambleによりクレームの範囲を限定しました。その結果、先行例文献として引用されたCargo trailerとShipping containerはAnticipation rejectionの対象外となり、拒絶が覆る形になりました。

まとめ

クレームを書く際、Preambleをどう表現するべきかを考えることは場合によってはとても重要になります。特に、クレームされている発明に近い開示がすでに他の分野や似た形状のものに用いられているのであれば、Preambleでクレームされている発明とそのような関連先行文献を差別化することができるかもしれません。

また、そのような戦略でPreambleを書く場合、目的用途として理解されないように、構造的な要件を示すようなPreambleを書く必要があります。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者:Paul T. Qualey . Hunton Andrews Kurth LLP (元記事を見る

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