最高裁で審議されるか?Assignor-EstoppelとDamage Apportionmentの問題

EVE-USA v. Mentor Graphicsについて、最高裁で審議が行われるか注目されています。最高裁での審議を希望している申立人(EVE-USA)は、特に、特許法における Assignor EstoppelDamage Apportionment の問題がどのように扱われるべきかを最高裁に判断してもらうことを望んでいます。

背景:

EVE-USAはMentorの元従業員であり発明者でもある人によって設立されました。初期のころ、MentorはEVE-USAに特許をライセンスしていましたが、SynopsysがEVEを買収したことにより、ライセンスが停止しました。この結果、特許侵害訴訟が起こり、Mentorが所有しているU.S. Patent No. 6,240,376の侵害が認められ、陪審員による$36 millionの支払い命令が下されました。ここで注目したい点は、対象になった‘376 patentはMentorが所有していますが、EVEの共同創業者である Luc Burgun と Alain Raynaudも発明者として含まれています。

2018年4月23日、最高裁はSolicitor Generalにアメリカ政府としてこの問題に対して意見を求めました。この動きは、最高裁がこの Assignor EstoppelDamage Apportionment の問題の審議に乗り出す可能性が高くなったことを示しています。

Assignor Estoppel:

今回の場合、対象特許の発明者となっているEVEの共同創業者である Luc Burgun と Alain Raynaudが、後の裁判でその特許は無効であると証言しようとした場合に適用されました。そのため、EVE-USAが対象特許の有効性に関して挑戦できなくなってしまいました。

ここで問題になったのが、そもそも発明者に適用されるこの概念が、発明者が所属する会社にも適用されたことです。そこで、今回最高裁での審議を希望している議題の1つとして、 Assignor Estoppel の適用範囲が問われています:

[W]hether, and under what circumstances, assignors and their privies are free to contest a patent’s validity.

Damage Apportionment:

続きまして、 Damage Apportionment の問題。 Damage Apportionment (または、Apportionment of Damages in Lost Profits)とは、特許が製品の特徴の一部をカバーしていて、利益損失( lost profit )が製品全体から算出された場合の賠償金の割当に関するものです。CAFCにおいて、特許にされている特徴とそうでないものの価値を査定しなかったことは適切ではなかったと指摘しています

Did the Federal Circuit err in holding that proof of but-for causation, without more, satisfies the requirement that damages be apportioned between patented and unpatented features?

今回リクエストされた政府の見解はすぐには出てこないので、この2点の問題が最高裁で審議されるかがわかるには、多少時間が掛かりそうです。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者:Dennis Crouch. Patently-o (元記事を見る

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