アップルとサムソンが和解:7年も続いた世界規模の特許訴訟に終止符

7年も続いて世界規模で行われていたアップルとサムソンによる特許訴訟は、和解という形で終わりました。

2018年6月27日、アップルとサムソンはスマートフォンに関わる特許訴訟を終わらせ、和解に至りました。この訴訟は、世界10カ国で行われ、アメリカでは最高裁まで行きました。

訴訟が始まった当初は、差し止め命令によりスマートフォンが販売できなくなるのでは?、また、訴訟費用や訴訟による関節被害などでアップルやサムソンの業績に影響が出るのでは?と懸念されていましたが、終わってみると、世界規模の特許訴訟だったのにもかかわらず、そのような大きな影響はありませんでした。

訴訟において、訴えられた被告側は、特許訴訟は消費者のチョイスを減らし、アメリカの経済に悪影響を与えるという公益(public interest)に関する主張をすることがあります。しかし、このアップルとサムソンの訴訟を見てみると、そのようなことはなく、特許があり、特許訴訟があっても、発明は起こり、新製品は誕生し、経済は進んでいきます。

今回のアップルとサムソンの世界規模の特許訴訟はそういった特許システムに関する1つの答えを出してくれたようにも思えます。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者:Gene Quinn & Steve Brachmann. IP watchdog (元記事を見る

ニュースレター、会員制コミュニティ

最新のアメリカ知財情報が詰まったニュースレターはこちら。

最新の判例からアメリカ知財のトレンドまで現役アメリカ特許弁護士が現地からお届け(無料)

日米を中心とした知財プロフェッショナルのためのオンラインコミュニティーを運営しています。アメリカの知財最新情報やトレンドはもちろん、現地で日々実務に携わる弁護士やパテントエージェントの生の声が聞け、気軽にコミュニケーションが取れる会員制コミュニティです。

会員制知財コミュニティの詳細はこちらから。

お問い合わせはメール(koji.noguchi@openlegalcommunity.com)でもうかがいます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

OLCとは?

OLCは、「アメリカ知財をもっと身近なものにしよう」という思いで作られた日本人のためのアメリカ知財情報提供サイトです。より詳しく>>

追加記事

特許出願
野口 剛史

人工知能が発明者になれなくても米国特許法では人工知能の発明は特許になる

人工知能の発明は、長年にわたって審査され、米国特許として発行されてきました。そして、現在の米国特許法でも、人工知能を組み込んだ発明を扱うことができます。しかし、人工知能に関する発明はソフトウェアに属するので、Aliceテストを満たす必要があり、特許出願に差異に特許請求の範囲の適格性を評価する必要があります。

Read More »
特許出願
野口 剛史

自動化OA応答ツールでOA対応の効率を劇的に上げる

特許に関わる業務、特にOA対応に関しては、自動化ツールの活用は有効だと考えています。OA対応の「質」に影響しないところで時間がかかっていたところを自動化ツールを使うことで作業の簡略化を行い、そこでできた時間やリソースをOA対応時の主張を更に磨く作業やクレーム補正にあてることでより「質」が高く素早いOA対応ができることが期待されています。

Read More »