AppleがAPPLE MUSICをアメリカで商標登録する際に、別の商標を持っている権利者に優先権を主張され妨害されました。しかし、Appleが更に古い優先権を主張できる商標権を買収していたので、Appleの優先権を確保することに成功していました。
Charles Bertini氏は、Apple Inc.が音楽、エンターテイメント、文化的イベント、製品、サービスの広範なカテゴリーに対して商標APPLE MUSICを登録しようとしたことに対し、優先権と混同の可能性を理由に異議を唱えました。Bertini氏は、1985年に自身のセントラルニューヨークのジャズバンドとレコードレーベルに関連してAPPLE JAZZという商標を使用していたことに基づき、同様の音楽とエンターテイメントのサービスについてAPPLE JAZZという商標のコモンロー上の権利を主張しました。
この問題はTrademark Trial and Appeal Board(TTAB)で取り扱われ、最終的に、当事者のどちらが優先権(priority)を持っているかという問題が焦点になりました。
Appleは少なくとも1977年以降、パーソナルコンピュータ、モバイル通信・メディア機器、ソフトウェア、サービス、およびアクセサリに関して、APPLEのワードマークを使用していました。しかし、音楽関連の商品・サービスに関するAPPLEの商標権は、音楽を公開・配信するためのストリーミングサービス「APPLE MUSIC」を開始した2015年6月までしかありません。
その一方で、Bertini氏のAPPLE JAZZは、少なくとも1985年6月には使われており、音楽を公開・配信する活動にも関連して使われていました。そのため、Bertini氏が有利に見えましたが、ここでAppleの商標権を買収が生きてきます。
Appleは、ビートルズが設立した会社であり、少なくとも1968年からビートルズの音楽や映画を継続的に制作・配給しているアップル・コープス社から、APPLEの商標権を購入しており、その優先権を主張しました。
最終的に、TTABの審査会は、Apple Corps Ltd.が音楽にAPPLEマークを使用している上に、Apple Inc.がAPPLE MUSICマークを使用することで優先権を得ることができると判断。これは、当事者のそれぞれの商品とサービスが同一または類似しており、2つのマークが法的に同等であり、同じ商業的印象を与えると言及。審査会は、Apple Corps Ltd.のAPPLEマークがApple Inc. APPLEマークの近代化であると判断しました。