Amazon Brand Registryレポートの最新動向

Amazon Brand Registryは、メーカーが「知的財産の保護」「リスティングの管理」「ビジネスの成長」を支援することを目的としたAmazonのツールです。Amazon Brand Registryは、Amazonにおけるブランドの知的財産権(IP)の侵害を報告するのに役立つツールですが、慎重かつ適切に使用しなければすぐにブランドの大きなリスクにつながる可能性があります。ここ数ヶ月、不適切または軽率なAmazonブランドレジストリの削除の結果、否定的な結果を報告するブランドが増えていることがわかっています。

具体的には、以下の通りです。

今までの戦略は通用しない

ブランドは、ブランドレジストリのテイクダウンで以前使用していた戦略がもはや有効でないことを報告することが多くなっています。これは、Amazonが、どのような問題がAmazonにとって報告可能であり、対処可能であり、「優先度が高い」ものであるかについての見解を継続的に修正しているためです。

例えば、最近の傾向として、Amazonはマーケットプレイスポリシー違反の投稿への対応が遅くなっており、これはAmazonがこれらの問題を自社のマーケットプレイスルールに対する優先度の高い違反とは見なしていないことを示唆している可能性があります。その対策としては弁護士が監督する専門のブランドアナリストチームを持つ会社や事務所を活用し、アナリストと弁護士の両方がAmazonと直接連絡を取り、これらのアップデートをリアルタイムで理解することでより効率的なテイクダウンを行うことができます。

不適切な「ブランドレジストリの削除」のリクエストは訴訟問題に発展する

また、ブランドは、自社または第三者の代理店がブランドのためにBrand Registryのテイクダウンを行ったところ、訴えられたという報告もあります。ブランドが、マーケットプレイスプラットフォームの監視を支援し、ブランドに代わって「ブランドレジストリの削除」を提出する第三者機関と連携していることはよくあることです。これらの第三者機関は、ブランドによる監視をほとんど受けておらず、法律の専門家でもないのにIPに関するクレームをつけていることがあります。そのため「著作権」と「商標」侵害が同じように使われていたり、(模倣品ではない)正規品の不正転売ではなく「模倣品」に対する提出が頻繁に見受けられます。

こうした手口の結果、最近、Brand Registryのテイクダウンによって影響を受けた販売者が、全米の州裁判所および連邦裁判所に提訴するケースが急増しています。その請求は、取引関係に対する不法妨害、欺瞞的取引方法、名誉毀損、宣言的判決請求など多岐にわたります。もし訴えたれた場合、早急にこれらのAmazonの問題をよく理解した弁護士を雇い、主張されたクレームを絞り込むことが大切で、それにより早期解決や訴訟の完全解消ができる可能性が高くなります。

また、そもそもブランドレジストリの削除に関して、法務チームとビジネスチームが直接かつ定期的に連絡を取り合うことで、こうした訴訟を未然に防ぐことができることも多くありますので、訴訟を防ぐような取り組みも考えるべきでしょう。

乱用と判断された場合、ツールの利用停止もある

ブランドは、Amazonが 「ツールの乱用」と判断したために、ブランドレジストリのテイクダウンを行う機能が削除または制限されたことがあったと報告しています。ブランドやそのサードパーティの代理店が多数のBrand Registryのテイクダウンを行い、最終的に拒否、取り消し、または撤回された場合、Amazonは、Brand Registryを通じて侵害を報告する能力を停止または終了させることによってブランドを罰することができ、時には実際にそうしています。

これにより、ブランドは、後日、正当なIP侵害やその他の市場違反に対処することが非常に困難となります。このことは、このツールを慎重かつ適切に使用することの重要性を改めて強調するものです。

専門家と協力していくことが大切

Brand Registryを効果的に使用し、企業にとって不必要に法的リスクを生じさせないためには、AmazonとIP関連の法に関する正しい理解が必要となります。また、多くの場合、100%侵害しているというケースではなく、事実上のシナリオと議論の余地のあるグレーな侵害であることを理解する必要があります。

そのため、AmazonのBrand Registryにおける侵害対策を行う上であっても、知的財産の弁護士に相談することが大切でしょう。特に、Brand Registryの報告を取り扱う豊富な経験を持っており、Amazonの最新のベストプラクティスや優先順位を理解し、Amazonと直接関われる専門チームがあるところがベストです。

参考記事: Recent Trends in Amazon Brand Registry Reporting

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