特許事務所 Fenwick & West LLP では、post-Alice(Alice 事件後)の特許適格性に関する判 例をまとめていて、キーワードや年代別に検索・分析できるオンライン無料ツールを公開している。
Alice 事件 – 2014 年に最高裁で争われた Alice Corp. Pty. Ltd. v. CLS Bank Int’l, 134 S. Ct. 2347 (2014) のことで、アメリカにおけるビジネス方法及びコンピュータ・ ソフトウエア関連発明の特許適格性 (patent eligibility)に関わる重要な判例。 Alice 事件後(post-Alice)の数多くのビジネス方法及びコンピュータ・ソフトウ エア関連特許の特許適格性に大きな影響を与えている。
Alice 事件では、特許適格性を判断するのに、判例の Mayo 事件(Mayo Collaborative Services v. Prometheus Laboratories, Inc. 132 S. Ct. 1289 (2012))で示さ れた 2 ステップテストを採用。 第1ステップでは、クレームが特許不適格な主 題(patent-ineligible concepts)を対象とするものか判断する。特許不適格な主題 とは、自然法則(laws of nature)、自然現象(natural phenomena)又は抽象的概 念(abstract ideas)など。もしクレームが特許不適格な主題を対象とするものと 判断された場合、第 2 ステップにおいて,そのクレームがクレームの性質を特 許適格性がある妥当な状態に変換する追加的要素(elements which ensure that the patent amounts to significantly more than a patent upon the abstract idea itself)を十 分に含んでいるかを判断する。
判断基準が不透明で、2014 年の判例以来、post-Alice(Alice 事件後)の特許適格 性に関する議論は絶えない。特許庁でも専用のページを設けてガイドライン等を 提供している。
特許事務所 Fenwick & West LLP の提供しているツールで扱っている判例情報は、すべて ではないが、 特許庁の Patent Trial and Appeal Board(略して PTAB、審判部)、連邦地 裁、Court of Appeals for the Federal Circuit(略して CAFC、連邦巡回区控訴裁判所)におけ る判例を含んでいる。判例は、特許クレームの有効・無効で分類され、さらに理由付け で細分化されている。
まとめ作成者:野口剛史
元記事著者:Rajiv P. Patel. Fenwick & West LLP(元記事を見る)