特許庁がAfter Final Consideration Pilot 2.0 (AFCP 2.0)の延長を発表しました。今回の延長でAFCP 2.0が2020年9月30日まで延長されることになりました。
AFCP 2.0とは?
After Final Consideration Pilot 2.0 (AFCP 2.0) は特許審査の効率化に向けた取り組みの1つで、2013年に始まって以来、毎年延長されてきました。AFCP2.0の目的はRCEを減らすことによる審査期間の短縮です。AFCP2.0によって出願人と審査官の間のコラボレーションを奨励し、出願の審査をより効率よくおこなおうという狙いがあります。特に、Final Rejectionの後のマイナーながら審査官の時間をある程度要する問題を効率よく解決する手段として重宝しています。
一番多いと思われる例が、Final Rejectionに書かれた拒絶理由を解消するための「簡単な」クレーム補正だと思われます。AFCP2.0を使わないとAfter Finalでは考慮されないものだと今まではRCEをおこなうことが一般的でしたが、しかし、AFCP2.0を使うと、審査官が補正を考慮する時間が与えられるので、RCEをおこなわなくても、クレーム補正の審査をしてもらえます。その結果、より効率的な特許審査がおこなえるということになります。
AFCP2.0の申請
AFCP2.0を希望する出願人は、37 CFR §1.116に準ずる対応とAFCP2.0のリクエストをおこなう必要があります。
この対応には、少なくとも独立請求項の1つへの補正が含まれている必要があり、その補正はクレームの幅を広くするようなものであってはいけません。
AFCP2.0が受理されれば、審査官は補正を考慮する時間が与えられ、補正によってすべてのクレームが許可されるようであれば許可され、そうでない場合は、審査官は出願人とのインタビューをリクエストすることができます。
このAFCP2.0には追加費用はかかりません。しかし、extension of timeなどにかかる費用は発生します。
まとめ
AFCP2.0はまだ試験的なものですが、2013年から毎年延長されています。Final Rejectionにおける拒絶理由が「簡単な」クレーム補正で解消されるものである場合、AFCP2.0を使うことは有効な手段です。AFCP2.0を活用することでRCEを回避できれば、出願費用と権利化までの審査時間を減らすことができます。
まとめ作成者:野口剛史
元記事著者:Gene Quinn. IP Watchdog(元記事を見る)