スタートアップがビジネスの基盤と将来のためにやっておきたい知財に関する6つのポイント

スタートアップはアイデア、創造性、そして、エネルギーによって成長しますが、成長の過程で重要な発明の保護を怠ると後でそれが成長の大きな障害になることがあります。今回はそのようなことを未然に防ぐための6つのポイントを紹介します。

1.知的財産の所有権が会社にあることを明確にする:

  • 従業員のアイデアにより知的財産が生じた場合、会社にその知的財産の所有権があることを契約で明確に示しておく必要があります。
  • これは他の会社とコラボレーションをした場合も同じです。コラボレーションの際、事前に契約で発明や知的財産の所有権がどこにあるのかを明記することが重要です。

2.特許法の基本を理解する:

  • 特許法は複雑で技術者にはわかりづらい面もありますが。スタートアップの創業者や従業員でも基本は理解しておく必要があります。例えば、「時間」の概念は重要で、公開してしまうとアメリカ以外の国では特許法による保護が得られなくなってしまったり、アメリカでも公開から1年以内に出願手続きを行う必要が出て来てしまったりします。
  • また、発明といっても、革新的なものである必要はなく、性能の向上や、プロセス、ソフトウェアなども特許による保護の対象にすることができます。

3.アイデアをトラッキングする

  • 会社のコア技術や将来に重要な発明は早期に特定することが大切です。その後もトラックし、誰がアイデアを思いついたか、開発に関する過程、製品のリリースや公開情報の内容や日付などは特に重要になってきます。

4.新しいアイデアを共有しやすい環境を作る

  • 社内で自社(や競合他社)の技術に関する新しいアイデアを従業員同士が共有しやすい環境を作ることも大切です。
  • また、従業員には、技術革新だけでなく、その過程で生まれる知的財産の重要性についても教育していく必要があります。

5.新しいアイデアの創造を促す

  • 現在直面している課題や新機能に関するブレインストーミングを定期的に行う。部署をまたぐような人材が定期的に集まってブレインストーミングを行うと効果的です。その際に特許になりそうなアイデアが上がったらそこでキャプチャーすることを忘れずに。

6.専門家を雇う

  • 特許出願の期限が来る前に、社内でも社外の人材でもいいので、特許の専門家から出願に関するアドバイスを得ましょう。特に、特許弁護士の分析は、特許を取得する否かというビジネスにおける決断を下すために有効な判断材料になります。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者:Kate Gaudry Ph.D. Kilpatrick Townsend & Stockton LLP(元記事を見る

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