特許庁が特許適格性に関する新たなガイドラインを発表

のガイドラインでは、抽象概念を定義して審査基準の透明性を向上する試みがおこなわれています。うまくUSPTOの審査に適用されれば、このガイドラインにより特許適格性(subject-matter eligibility)に関する拒絶が減少することを期待できます。

2019 Revised Patent Subject Matter Eligibility Guidanceがリリース

このガイドラインはUSPTOの審査官とPTABの行政判事のためのもので、法律のような力はありませんが、ソフトウェアやコンピュータをベースにした発明でよく問題になる特許適格性の対策を実務レベルで示しているものなので、特にソフトウェアやコンピュータに関わる発明を扱う知財関係者には重要なガイドラインになります。

このガイドラインで、特許庁としては不透明な特許適格性の判断に、より実務的な判断基準を設けて、特許適格性の判断に一貫性を持たせる狙いがあります。

最高裁のAlice判決から、判例等でおなじような発明内容でも特許適格性の判断が異なったりすることが多々あり、混乱が続いていた特許適格性の問題ですが、このガイドラインにより一貫性がある判断がおこなわれ、特許適格性に関する拒絶が減少することを期待されています。

3つのグループにわけられた抽象概念

このガイドラインでは、特許にならない”abstract idea” (抽象概念)を3つのグループに分けています。

  • Mathematical concepts (数学的概念)
  • Certain methods of organizing human activity (人間の行動をまとめるいくつかの方法。例:保険、リスク管理、広告など)
  • Mental processes (精神的プロセス。例:評価、観察、判断など)

クレームされた発明がこの3つのグループのどれかに分類されない場合、ガイドラインでは原則、抽象概念として扱うべきではないとしています。

しかし、例外として上記のグループ以外でも抽象概念とすることはできますが、その理由を書面化しなければいけな経ったり、上司に昇任をもらわなければいけないなどハードルが高く設定されています。

特許不適格なコンセプトを2つのテストで判断

ガイドラインでは、クレームされた発明が特許不適格なコンセプトかを判断するために以下の2つのテストを用いています。

  1. クレームされている発明が特許不適格なコンセプトを語るものなのか
  2. その場合、実用的な応用が示されているかを判断

ステップ1でクレームが特許不適格なコンセプトを語るものと判断されても、ステップ2で実用的な応用が示されていると判断されれば、特許適格性をクリアーすることができます。しかし、2つのステップで条件を満たしていないと判断された場合、Aliceテストの2つ目のステップによる分析をおこないます。

この「実用的な応用が示されているか」を判断するステップですが、このステップをクリアーするには、特許として本来はクレームできない抽象概念などの用途を十分制限している必要があります。
ガイドラインでは、本来は特許不適格なコンセプトであっても、用途を実用的なものに限定した形にしている例をいくつか示しています。また、この「実用的な応用が示されているか」を判断するステップをクリアーするためには、その用途そのものに新規性や進歩性がある必要はありません。

まとめ

特許適格性はアメリカのソフトウェア関連特許に大きな問題をおよぼす問題なので、このガイドラインでその判断に一貫性がもたらされることを期待したいです。特にソフトウェア関連の特許をアメリカで出願する会社には大切なガイドラインだと思うので、一度ガイドラインそのものを読んでおくことをおすすめします。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者: Steven Blaine. Hogan Lovells (元記事を見る

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