研究用のプロトタイプでもITCのDomestic Industry を満たす

ITC commissionは、ALJの判決を覆し、販売前の商用ではない研究用のプロトタイプであってもITC調査を始める条件の1つであるdomestic industry requirementを満たすとしました。

どのようなアメリカ国内の活動がDomestic Industryを満たすかは個別の状況によってことなりますが、今回の判例により特許権者はよりdomestic industryを証明しやすい環境になったと言えます。

Certain Non-Volatile Memory Devices and Products Containing Same, Inv. No. 337-TA-1046において、行政判事のLord判事は、summary determination(司法裁判で言うSummary judgement (簡易裁判)のようなもの)において、ITCの申立人である特許権者は、domestic industryのeconomic prongを満たしていないとしましたが、その判決をITC Commissionが覆しました。

ITC調査が開始されるには、アメリカ特許で守られている品物(articles)おける市場がアメリカに存在する、または、形成されつつある必要があり、このことをdomestic industryのeconomic prongと呼びます。ITC Commissionは、summary determinationの際に行政判事のLord判事が、品物(articles)という用語を市場ですでに売り出されている品物(“products or other commodities that are sold in the marketplace”)と狭く定義していたことを批難。ITC Commissionは、ITC調査に関わる品物(articles)の商品化は必ずしも必要ではなく、販売前の商用ではない研究用のプロトタイプであっても品物(articles)の条件を満たす場合があるとしました。

今回のITC調査で問題になったPCM non-volatile memory technologyは実験段階であり、市場で売り出されてはいませんでした。Summary determinationの段階では、必要以上に狭い品物(articles)の解釈によりPCM non-volatile memory technologyはdomestic industryのeconomic prongを満たさないと判断されてしまいましたが、ITC Commissionの判決により、品物(articles)には実験段階であり、市場で売り出されていないものも含むことが明確になったので、ITC調査を進めていくためのdomestic industry条件を満たすということになりました。

今回の判例で、実際の商品がなくても、アメリカ国内における新しい技術への投資、プロトタイプやその他のリサーチに関する行動もdomestic industryを満たす可能性があることが示されました。これは、ITCを申し立てる立場の特許権者にとってはうれしいことです。この判例により、よりdomestic industryが証明しやすい環境になりました。

一方、respondentは、これまでと変わらず、このようなタイプのアメリカ国内の投資に対しては異議を唱え、「投資が十分ではない」(the investments were not substantial )、投資は特許で守られている品物に関連するものではない(not related to articles protected by the relevant patents)などの反論をおこなっていくことが大切です。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者: Alex Li and Ryan B. McCrum. Jones Day(元記事を見る




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