米国特許庁は、意匠特許の代理資格(design patent bar)の創設を含め、同庁に対する実務機会を増やす方法を検討していると、Kathi Vidal 長官が明らかにしました。通常の特許出願代理業務に関する資格(Patent Bar)についても、受験条件の科学技術要件の学位などをより柔軟に検討することも考慮されており、より多くの人が特許庁への出願業務や手続きに関われるようになることが期待されています。
工学系の学位がなくても資格がもらえる?
現在検討されている提案は、「誰もがイノベーションのエコシステムに参加する機会を得られるようにし、USPTOでの実務に不必要な障壁を作らないようにする」ことを目的としていると、Vidal氏は述べました。
今週火曜日、連邦官報に掲載された通知によると、特許庁は、特許実務者の科学技術要件を更新し、行政裁判所への出廷の機会を拡大し、意匠特許バーを設置する計画について意見を求める予定です。
特許庁は、PTOでの特許実務のための科学技術基準を改定すべきかどうかについての意見を求めています。また、出願者の学位を定期的に審査し、コンピュータサイエンスの学位に対する認定要件を変更することを提案しています。また、意匠特許実務家資格の創設とその要件についてもパブリックコメントを募集しています。
Vidal長官は、「これは、停滞したものであってはならない、という考え方もある」と言い、「学位は変化しています。大学は新しいタイプの学位を提供しているのです」とコメントしています。
目標は、PTOが「ダイナミック」であり続けること、そして授与される学位の種類や「社会のニーズに基づいてどのように変化しているか」を認識し、最新の状態を維持することです、とも述べています。
Vidal長官は、デザイン特許の専門家を別に設けるというアイデアについて、そうすることで、より多様な人々に機会が開かれることを望んでいると述べていました。「私の考えでは、PTOでの実務に必要な技術要件は、一般的な技術的な発明への出願が中心となっています。しかし、これらの技術亭な要件は、デザイン空間で実践するために必要な基準に合致していないと述べています。
Vidal氏によると、意匠特許の代理資格(design patent bar)の導入スケジュールは、利害関係者のコメント次第だそうです。「最終的な解決策が、まったく別のパテント・バー試験となった場合、「実施にはより長い時間がかかるだろう」とVidal長官は述べています。
また、特許審判部(PTAB)の規則や手続きを変更して、登録されていない実務家が訴訟手続において主任または後任の弁護士として出廷することを認めるべきかどうか、現行の研修・開発プログラムに変更を加えて実務家の機会を拡大すべきかどうかについても意見を求めています。後者については、直接実施することも、最初の試験的なプログラムを通じて実施することも可能なようです。
Vidal長官によると、この修正案を提案する決定は、行政裁判所の裁判官(ALJ)と一致したもので、裁判官の前で実務を行った多くの弁護士は、パテントバーのメンバーではなかったが、「素晴らしい仕事をし、クライアントの利益を代表し、PTABが行う決定に必要な情報を提供した」と認識しているとのことです。
この取り組みは、多様性の問題に直面し続けている分野において、代理人を増やすという特許庁の継続的な取り組みと一致しています。また、いくつかの特許事務所は、パイプラインの問題に対処するためのプログラムを通じて、特許実務の多様性を高めようとしています。
参考記事:Vidal Pushes for Design Patent Bar, More Diversity at IP Agency