特許庁が新しい公開検索ツールとPTAB出願システムに切り替え

アメリカの特許庁ではオンラインツールの改定が続いています。この前はPublic PAIRやPrivate PAIRがなくなり、Patent Centerに統一されました。今回も検索ツールとPTABにおける手続きの申請に関するツールが一新されることになりました。

米国特許商標庁(PTO)は、2022年9月30日に、4つのレガシーツール-審査官自動検索ツール、パブリック-ウェブベース審査官検索ツール、特許全文・画像データベース(PatFT)、特許出願全文・画像データベース(AppFT)-を新しい特許公開検索ツール(PPUBS)に置き換えることを発表しました。PTOは、2022年2月に新ツールへの移行を初めて発表していました。

新しい特許公開検索ツール(PPUBS)

PatFTとAppFTにある米国特許と公開特許出願への既存のリンクは、これらのサービスの廃止に伴って終了します。米国特許と公開特許出願は、PPUBSを介して直接アクセスすることができ、米国特許および公開特許出願に直接アクセスするためのリンクをウェブページやドキュメントに設定することができます。PTOによると、PPUBSはすべての米国特許および公開特許出願の全文検索をより便利に、リモートから、そして確実に行うことができるようです。PPUBSはまた、ユーザーの検索プロセスを合理化し、既存のサービスに代わるものを提供し、新しい機能も組み込んでいます。これらの機能を実行するためのステップバイステップの手順は、こちらでご覧いただけます。

特許審判追跡システム(P-TACTS)

また、PTOは、2022年10月11日付で、当事者間審査および付与後審査、対象ビジネス方法特許の移行プログラム、および派生手続に関するすべての書類を電子的に提出するために使用されている特許審判部E2Eシステムが、特許審判追跡システム(P-TACTS)プラットフォームで置き換えられることを発表しています。E2Eシステムは、2022年10月9日午後5時(米国東部標準時)から2022年10月10日午後11時(連邦政府の休日)まで使用できなくなります。プラットフォーム移行の詳細とP-TACTSの利用登録方法については、こちらをご覧ください。

参考記事:PTO Switches to New Public Search Tools, New PTAB Filing System

ニュースレター、公式Lineアカウント、会員制コミュニティ

最新のアメリカ知財情報が詰まったニュースレターはこちら。

最新の判例からアメリカ知財のトレンドまで現役アメリカ特許弁護士が現地からお届け(無料)

公式Lineアカウントでも知財の情報配信を行っています。

Open Legal Community(OLC)公式アカウントはこちらから

日米を中心とした知財プロフェッショナルのためのオンラインコミュニティーを運営しています。アメリカの知財最新情報やトレンドはもちろん、現地で日々実務に携わる弁護士やパテントエージェントの生の声が聞け、気軽にコミュニケーションが取れる会員制コミュニティです。

会員制知財コミュニティの詳細はこちらから。

お問い合わせはメール(koji.noguchi@openlegalcommunity.com)でもうかがいます。

OLCとは?

OLCは、「アメリカ知財をもっと身近なものにしよう」という思いで作られた日本人のためのアメリカ知財情報提供サイトです。より詳しく>>

追加記事

webinar laptop and coffee
特許出願
野口 剛史

特許明細書のヒント:技術的な解決策を強調する

アメリカのSoftware特許は日本のものと大きくことなります。特に最高裁判決Alice以降、どのようなものが特許法101に明記されている特許適格性(patent eligibility)を満たすのか継続的に裁判所で議論が展開されています。現在のところAlice判決が下された時に比べ、徐々にSoftware特許が許可されやすい環境になってきました。

Read More »
supreme-court
訴訟
野口 剛史

特許訴訟コストをコントロールするための戦略

アメリカにおける特許訴訟には莫大なお金と労力がかかるので、明確な計画を持ち、事前準備をおこない、努力を惜しまず、最高の主張をベストなタイミングで使い、代替案も常に考え、誠意を持って対応することが大切になってきます。

Read More »
chatGPT
AI
野口 剛史

ChatGPTと法曹界の反応

OpenAIは最近、ChatGPT-4という言語モデルのアップグレード版を発表しました。このモデルは、模擬司法試験やLSATなど、法律実務の標準テストで非常に優れた成績を収めています。ChatGPTの背後にある技術は、データを分析し、矛盾のない正確なテキストを生成する生成型の事前学習トランスフォーマー(GPT)モデルです。法的資料を含む膨大な量のテキストで訓練されており、法律の専門家に初期の洞察と作業可能なテンプレートを提供することができます。ただし、ChatGPTには限界があり、誤りや誤った情報を生成する場合があることに注意する必要があります。法律の専門家は、このような技術を導入することの利点とリスクを慎重に考慮し、規制の進展とモデルの応答以上のさらなる分析の必要性に留意するべきです。

Read More »