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掲載まとめ記事例

OpenAIの特殊ツールで明細書の実施例を作れるかを検証
今回は生成AI大本命のOpenAIが手掛けるPlaygroundで明細書の内容から新しい実施例をAIが生成できるのかを検証しました。開発者向けのツールということで、ChatGPTよりも設定をいじることができ、ChatGPTにはないinsert モードという機能があったので、これらをうまく使って実施例を大量生産できないかと思いましたが、甘かったようです。
結論から言うと、明細書とは程遠いものがアウトプットされて使い物になりませんでした。しかし、部分的には評価できるところもあり、工夫次第ではちょっとした付加価値をつけることはできるかもしれません。また機能面での問題とは別に、実務で用いるとなると、出願前の特許クレームという機密情報の取り扱いという点でも課題はあります。

最高裁判決:単に創造的な表現を作品に追加するだけでは自動的にフェアユースとはされない
最近の最高裁判決、Andy Warhol Foundation v. Goldsmith事件において、最高裁は著作権侵害の主張においてフェアユースを否定しました。この事件は、写真家のLynn GoldsmithがアーティストのAndy Warholによって作成された音楽家プリンスの写真を使用して多層のスクリーンプリントのシリーズを作成されたというものです。Warhol Foundationは、プリント作品が変形的であり、それゆえフェアユースの保護を受けるべきだと主張しました。しかし、最高裁はその主張を受け入れず、Warholの写真の使用はGoldsmithと同じ目的である商業利用のため、フェアユースは認められないと述べました。この判決は、単に創造的な表現を作品に追加するだけでは自動的にフェアユースとはされないことを強調しており、今後は後続作品の目的と使用法がより考慮されることになるでしょう。

特許権者は売却された後に発行された特許で場合であっても、将来の継続特許に対するライセンスを付与することができる
特許ライセンスを受けたときは存在していない、そして、権利化される前に第三者に売却された継続特許はライセンスに含まれるのか?それが争われたケースを紹介します。裁判所は、法律の枠組みとして、元のライセンサーが将来の継続特許を実際に第三者に発行されてもライセンスすることができると判断し、また、ライセンス契約の文言が明示的に継続特許のライセンスをライセンシーに与えていると判断し、特許侵害の主張を退けました。この事件は、紛争を避けるために、将来の特許の含有を注意深く考慮し、明示的に述べることの重要性を示しています。