Open Legal Webinar シリーズ

Frustration free Email communication

知財関連の仕事は国際的で、英語でのやり取りは避けられませんが、メールの返信に愕然としたことはありませんか?

自分のメールの意図をしっかり押さえたうえで、ちょっとメールの構成を変えてみる、言葉使いを変えてみる、質問の仕方を変えてみる、などのスキルを学んでみましょう。

  • 日本とアメリカの文化の差
  • 文化の違いがもたらすコミュニケーションギャップ
  • 「違い」を受け入れたメールによるコミュニケーション
  • 話しづらい「トラブル」と「お金」の話し方(Q&A参考)

ウェビナーのまとめ

文化の違いを理解した上で、メールでのコミュニケーションを学んでいきます。

 

前半で日本とアメリカを中心に国別の文化、考え方の違いを学び、その学びを応用して、より効果的なメールのやりとりを考えていきます。

 

 日米の組織、管理スタイルの違いを農耕民族と狩猟民族というアニメーション動画で説明していただきました。

 

 

日本とアメリカは様々な指標を比較しても違いが明白

  • 権力格差:(例:日本人が首相になれると思っている人よりも、アメリカ人の方が大統領になれると思っている人が多い。)
  • 個人主義:日本は「みんな」、アメリカは個人主義。アメリカは仕事の範囲が明確で、他の人の仕事を進んではやらない傾向にある。アメリカは家族主義(この部分では集団主義)。日本は、家族に対して個人主義。日本:会社1番、家族2番。アメリカ:家族1番、会社2番。
  • 男性社会:男性と女性で仕事が明確に分かれているか?日本は顕著。アメリカでは大差ない。性別によっての役割分担があまりない。
  • 不確実性回避:日本はここが顕著に高い。不確実性を避けようとする。(例:新機能の実装の前の入念なマーケティング。)アメリカではとりあえずやってみようということもある。ある研究でどちらがいいかを分析したが、どちらでもそんなに大差がなかったとのこと。プロセスの違いのみ。日本は最初の計画に時間を使い、行動する。アメリカは、行動し、失敗しつつ、行動を直す。結果は大差なし。
  • 長期志向:日本は長期志向。アメリカは短期志向。
  • 放縦:こどもにどれだけあまいか?日本もアメリカも結構高い。こどもにいい思いをさせてあげたいという思いが強い。
 

 日本、アメリカとインドを比較

  • Power Distance: 権力格差。インドはカースト制の名残などで生まれが権力に大きく影響する。
  • Individualism: 個人主義。アメリカがトップ
  • Masculinity:性別による役割分担。日本がトップ
  • Uncertainty avoidance: 不確実性回避。日本がトップ
  • Long term Orientation: 長期志向。日本がトップ
  • Indulgence: 放縦。こどもにどれだけあまいか。インドはとても低い。インドは子供に厳しい。

アジアで比較

  • Power Distance: 権力格差。中国、韓国ともに、日本より高い。
  • Individualism: 個人主義。日本の方が中国や韓国よりも高い。
  • Masculinity:性別による役割分担。日本がトップ
  • Uncertainty avoidance: 不確実性回避。中国が低い。中国とアメリカは似ている。起業が多い。リスクを取る。
  • Long term Orientation: 長期志向。アジアはそろって高い。
  • Indulgence: 放縦。こどもにどれだけあまいか。中国も韓国も低い(子供に厳しい)。

結論: 日本とアメリカは文化的に大きな違いがある

 

 ビジネスにおける日米の違い

  • 意思決定:日本は「前例がない」。アメリカはその時々。
  • 管理タイプ:日本は下から。アメリカは上から。
  • プロセス:日本はみんなで。アメリカは限定した人数で。
  • 収益予想:日本は長期、アメリカは短期。
  • 計画:日本は長い、不確実性を好まない。悲観的に動く。アメリカは楽観的、行動的。
  • コミュニケーション:日本は主張しない。アメリカはよくしゃべる。アメリカは空気を読まないでいい世界
  • 評価の仕方:日本は減点。アメリカは加点。アメリカでは100点以上もあり。90点をつけるよりも110点をつけた方がよろこぶ。

 日本の組織スタイルはどの国にもないユニークなもの。

 

 アメリカと日本のいいとこ取りを目指す。日本人が計画し、アメリカ人が実行するとうまく機能する。ただし、アメリカ人は報告しないので、聞き出す必要がある。進展を聞く。

 

アメリカの文化は多民族。お互いにわかり合えないことが前提なので、主張をするようになっている。自分の考えがまとまってなくても発言することがある。

 

日本人は人を信頼するのに時間がかかる

 

 日本人は空気を読む(Contextが高い。)アメリカは空気を読まない(Contextが低い。)日本人とアメリカ人の会議では、アメリカ人が発言し、日本人は黙っているということが起きる。

 

日本人は下に出ればいいと思うかもしれないが、それはアメリカ人にとっては有効ではない。自分で仮定しないで、その仮定を聞いて確認を取る。

 

日本の英語力は世界的に見ても低い。誤解を避けるようEmailは短くした方がいい。

 

はっきり言う。相手の仮定をちゃんと理解してから、書き始める。

 

Emailのスタイルは多様。

 

例:推薦状のお願いと催促

メールだけで返信あると思わないで、電話で確認することも大切。

 

 ポイント:要件は明確に。期限もはっきり提示する。

最初の例文は、要件がブレている。推薦状のお願いを依頼するメールになっていない。

 

 

例:Office Action対応指示メール

目的は?コメントを求めているのか、メールの指示に沿った内容で返答してほしいのか相手のアクションを明確にする。

 

こちらの思い(何を期待しているか)も示すといい。

 

文面が長くなる場合、箇条書きにするとスッキリする。

 

Q&A

Q1. 電話で話すかメールを出すかはどう判断すればいいですか?

A1. 状況説明をメールでして、電話で確認する。両方使うと効果的。電話もすぐにするといい。

 

Q2. 明確な特許庁の提出期限以外は、期限をはっきり言うのは、図々しいという思いがあり、少し抵抗感があります。どう英語で表現すればいいのでしょうか?

A2. 期限を明確にすることに抵抗がある場合、理由をつけて期限について説明すると伝えやすい。

 

Q3. こちらとしては、アメリカの特許庁からの拒絶理由通知を早くもらいたいのですが、いつもアメリカの代理人から連絡をもらうのに2週間以上かかります。このことを指摘したいのですが、ただ単に早くしろという指示は命令的なので、抵抗があります。どう英語で表現すればいいですか?

A3. 早く提出してもらえればこちらでできることを説明(利点の解説)する。理由を説明することが大切。そして、その理由を理解してもらう。

 

Q4. ウェビナーでは、催促のメールの例がありましたが、アメリカの代理人の行動が原因で起こったトラブルを指摘する際のメールのポイントはありますか?関係性を損ねたくないのですが、問題をそのままにするとこちらの仕事に影響が及んでしまいます。

A4. 難しいです。でも、相手を責めることはしない。問題が起こった原因を一緒に調べて解決したいという思いを伝える。再発させたくないという思いも伝える。泣き寝入りは絶対にしない方がいい。すぐに伝える。

 

Q5. アメリカの代理人費用は高額なため、なるべく日本で時間のかかる仕事を行って、アメリカの代理人には書類に目を通してもらって、書式を整えることをやってもらいたいのですが、ちゃんと弊社の技術や製品の特徴をわかってもらった上で、特許庁とやり取りをして特許の権利化に強力してほしいと思っています。そのニュアンスを伝えたいのですが、安く仕事をして、いいサービスを提供しろと言っているようなので、正直伝えづらいです。

A5. レートが高いとストレートに話していい。その分、効率や結果を求める。信頼関係も重要。日頃使っているところで、質が低下したと思ったら、それを指摘するメールを書き、そのフォローアップで電話で話すのもいい。会うと信頼関係の向上にもなるので、アメリカに来ることがあったら積極的に事務所訪問をして担当者と会うことが大切。

 

Q6. お金(費用の交渉)をするときのポイントを教えてください。アメリカ人相手だと、英語での交渉になるので言いこまれるのでは?と困っています。タイミングとか、きっかけ、落とし所などのポイントはありますか?

A6. 市場のリサーチ、比較。レートの話もちゃんと理由を説明して、理解を求めたら交渉もあり。でも、話し方が大切なので、メールで説明する際は、事情を理解したネイティブに文面を作成してもらうか、文面のレビューをしてもらうことがおすすめ。

 

 

 

OLCの米国知財ニュースレター

最新まとめ記事を
毎週メールボックスにお届け

登録すると、週1回、最新まとめ記事の概要とお知らせを受け取ることができます。