PTABにかかった費用は285条に基づいて回収可能なのか?裁判所によって見解が異なっている

35 U.S.C. §285では、「例外的なケース」において、特許侵害紛争で勝訴した当事者に合理的な弁護士費用を与えることができるとされています。しかし、Dragon Intellectual Property LLC v. DISH Network LLC, において、裁判所は、§285に基づく弁護士費用を求める被告の申し立てを認めが、IPR手続のための弁護士費用を認めませんでした。

訴訟の背景

2014年、原告Dragonは、DISHを含む複数の被告を訴え、各被告が記録再生装置に関する特許のいくつかの請求項を直接侵害する製品を販売したと主張しました。これに対し、DISHともう1社の被告は、公開されている製品の取扱説明書には、視聴開始時から連続して記録されていることを指摘し、自社製品は侵害していないと主張。これに加えて、被告は、当該特許の出願人が「連続録画装置」への適用を否認しているため、侵害は不可能であると主張し、請求を棄却しない場合には、Dragon社に対して制裁金と弁護士費用を請求すると強気に出ます。

これに対応したDragon社は、連続録画装置がどのように侵害するかについての理論を説明した侵害申し立ての修正を行います。DISHはこの修正された訴状に対して、当該特許のIPRを申請し、最終的に主張された請求項は特許性がないと判断しました。

自主的におこなったIPRにかかった費用は回収できるのか?

裁判所の最終判決後、原告は、弁護士費用を求める被告の多数の申し立てを受けて、PTABの無効判決と連邦地裁の非侵害の最終判決の両方を個別に控訴しました。連邦巡回控訴裁は、PTABの判断を支持し、その一方で、原告は連邦地裁に非侵害の判決をすべて取り消すよう申し立てることに成功しました。

被告は様々な申し立てにおいて、連邦地裁における訴訟に勝訴したため、自発的に起こしたIPRで発生した弁護士費用も、原告Dragonが払うべきだと主張。被告は、IPR費用の回収を妨げることは、より効率的な手段で事件を解決したことを事実上罰することになると主張しました。

これに対して、CAFCは弁護士費用の問題についての判断を避けましたが、「IPR手続きで発生した作業に対して§285に基づいて費用を与える根拠は、特許法には見当たらない」とコメントし、地裁に差し戻ししました。

差し戻し後、地方裁判所で285条に基づいた費用回収について再度議論されましたが、最終的に「議会はPTAB費用のシフトを規定することができたが、そうしなかった」と結論付け、PTABの無効判決にかかった費用に関しては弁護士費用を与えませんでした。

他の高裁ではPTAB費用の肩代わりも「認める」というCircuits Splitが起こっている

ここで裁判所は、(おそらくCAFCの働きかけに基づいて)IPR手続きを含まないように、より保守的なアプローチで費用を裁定することを推奨しましたが、35 U.S.C. §285における費用回収は他の巡回裁判所ではより広い範囲で認められています。

例えば、American Vehicular Sciences LLC v. Autoliv, Inc.は、地方裁判所で実質的な訴訟が行われていない場合でも、PTABの手続きが「例外的」であることを立証できれば、被告に弁護士費用を与えることができると説明しています。

参考文献:Circuits split on PTAB fees being recoverable under 285

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