特許審査履歴解説: すでに廃止されたFirst Action Interviewを用いて苦戦しつつも権利化した案件 (Spanx)

今回はSpanxの特許審査履歴を解説しました。

2023年2月21日に発行されたSpanxの特許(Patent # 11,583,010)の出願履歴から考察しました。

First Action Interviewというあまり使われていない早期審査が行われたケースです。1回目のOAが来る前にインタビューができたり、OA対応の期限が短かったりと、効率的な権利化に向けての手続きがセールスポイントになっていましたが、すでにこのパイロットプログラムは廃止になっています。廃止の原因はわかりませんが、今回の出願の審査もそんなに早くなく、逆に通常よりも遅いような印象があるので、First Action Interviewはうまく機能しなかったのかもしれません。

しかし、OA対応を行った代理人はインタビューやAFCPも効率的に使い、対応としては良かったほうだと思います。ただ、発明が衣類に関わるものだったので、技術エリア的に、新規の特許の取得が比較的難しい分野だったので、苦戦を強いられたのかもしれません。

詳しくは、この解説を見てください

過去の特許審査履歴解説一覧はここからアクセスできます。データベースになってるので、拒絶理由や審査経緯などでフィルターでき、自分が知りたい特許審査が簡単に探せます。

ニュースレター、公式Lineアカウント、会員制コミュニティ

最新のアメリカ知財情報が詰まったニュースレターはこちら。

最新の判例からアメリカ知財のトレンドまで現役アメリカ特許弁護士が現地からお届け(無料)

公式Lineアカウントでも知財の情報配信を行っています。

Open Legal Community(OLC)公式アカウントはこちらから

日米を中心とした知財プロフェッショナルのためのオンラインコミュニティーを運営しています。アメリカの知財最新情報やトレンドはもちろん、現地で日々実務に携わる弁護士やパテントエージェントの生の声が聞け、気軽にコミュニケーションが取れる会員制コミュニティです。

会員制知財コミュニティの詳細はこちらから。

お問い合わせはメール(koji.noguchi@openlegalcommunity.com)でもうかがいます。

OLCとは?

OLCは、「アメリカ知財をもっと身近なものにしよう」という思いで作られた日本人のためのアメリカ知財情報提供サイトです。より詳しく>>

追加記事

訴訟
野口 剛史

Means-Plus-Function クレームの侵害を示す際に「方法」の証明を怠らない

Means-plus-functionクレームの侵害を示すには、構造体が(1)開示された構造体と同一の機能を、(2)実質的に同じ方法で、(3)実質的に同じ結果で実行しているという3つの証明が必要です。この3つの内どれか1つでも証明出来ない場合、侵害を示すことができないので、Means-plus-functionクレームを行使する場合、十分気をつけましょう。

Read More »
amazon
訴訟
野口 剛史

アマゾンの模倣品・不正品対策への取り組み

アマゾンはこのほど2022年のブランド保護レポートを発表し、2021年の模倣品対策に関する主要な取り組みの進捗と、それらの分野で引き続き成功を収めるための計画について報告しました。多くの資金と人材、リソースを投入し、ブランドがアマゾンで商品を販売していなくても模倣品対策ができる仕組みができており、アマゾンはeコマースで信頼できるマーケットプレイスとしての立場をより強固にしています。

Read More »
Samsung
特許出願
野口 剛史

特許審査履歴解説:議論が平行線をたどりRCEと補正3回を経て許可された案件(Samsung)

今回はSamsung社の特許審査履歴を解説しました。

2022年6月28日に発行されたSamsungの特許です。出願人の主張と審査官の見解が平行線をたどり、RCEとクレーム補正3回を経て、やっと権利化できた案件です。最終的に既存の要素の組み合わせという点から特許性を見出したことを考慮すると、もう少しインタビューを早めに行い、お互いの理解の違いを解決できていたらより良かったのかもしれません。

Read More »