特許審査履歴解説: 的外れな文献を用いた拒絶でもあえて大規模なクレーム補正で権利化 (IBM)

今回はIBMの特許審査履歴を解説しました。

2022年9月27日に発行されたIBMの特許の出願履歴から考察しました。

審査官が的外れなリファレンスで拒絶したからか、1回目のOAの対応で大規模な補正を行い、クレームされた発明の具体的な用途を明確に示すクレームに変更することで、無事に許可通知を得ることができました。

的外れなリファレンスによる拒絶の場合、クレーム補正を行わずに主張だけで乗り切ろうとすることもあります。しかし、そうすると逆にリファレンスの解釈の違いから、審査官と代理人の間での落とし所が見つからず、審査が長期化することもあります。

今回大幅なクレーム補正が行われたのは、そのようなリスクを回避するのが狙いだったのかもしれません。

また、101条による特許適格性の拒絶もあったので、どちらにしても、クレームをより具体的なところまで絞り込む必要がありました。この101条解消のモチベーションもあって、あえて主張は最小限にして、クレーム補正で権利化を狙ってきたのかもしれません。

詳しくは、この解説を見てください

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