特許審査履歴解説:クレーム不明瞭のみの拒絶でRCEまで行き、許可通知が2回来た案件(Canon)

今回はCannonの特許審査履歴を解説しました。

2022年7月12日に発行されたCanonの特許の出願履歴から考察しました。クレーム文言が不明瞭だと指摘され112条の解消に2回の拒絶+RCEを費やす形にはなってしまいましたが、文献による拒絶がなかったため「シンプル」な拒絶対応であったのかもしれません。

しかし、2回目の拒絶で指摘された審査官との理解の相違は1回目の拒絶の際にインタビューしていれば事前に解消されていたのかもしれません。もしそうであれば、インタビューによって2回目の拒絶+RCEは回避できたのかもしれません。

ただ最終拒絶の後に素直にRCEを出したのは良かったと思います。Advisory actionやAFCP 2.0では多分考慮されなかったので、そのような手続きに時間と弁護士費用をかけずにRCEの費用のみを払うのは正しい選択だったと思います。

また、審査終了後にIDSを提出したため、許可通知書が2回発行されています。IDSの提出義務は許可通知書を受け取った後でも続くので、気をつけるようにしてください。

詳しくは、この解説を見てください

ニュースレター、会員制コミュニティ

最新のアメリカ知財情報が詰まったニュースレターはこちら。

最新の判例からアメリカ知財のトレンドまで現役アメリカ特許弁護士が現地からお届け(無料)

日米を中心とした知財プロフェッショナルのためのオンラインコミュニティーを運営しています。アメリカの知財最新情報やトレンドはもちろん、現地で日々実務に携わる弁護士やパテントエージェントの生の声が聞け、気軽にコミュニケーションが取れる会員制コミュニティです。

会員制知財コミュニティの詳細はこちらから。

お問い合わせはメール(koji.noguchi@openlegalcommunity.com)でもうかがいます。

OLCとは?

OLCは、「アメリカ知財をもっと身近なものにしよう」という思いで作られた日本人のためのアメリカ知財情報提供サイトです。より詳しく>>

追加記事

comic book Zarya of the Dawn
著作権
野口 剛史

AIを活用した漫画が限定的な著作権登録を受ける

米国著作権庁(USCO)は、アーティストであるKris Kashtanovaが、MidjourneyのAI搭載テキスト画像生成ツールを一部使用して作成したコミックブック「暁のザリヤ」の限定著作権登録を許可しました。しかし、Midjourneyで生成された画像については著作権が認められず、AIを利用した作品の著作権問題はまだ課題が多く残されています。

Read More »