特許審査履歴解説: OA対応が長引いたものの効果的なインタービューの利用で1回のOA対応で権利化できた案件 (Apple)

今回はAppleの特許審査履歴を解説しました。

2023年1月10日に発行されたAppleの特許の出願履歴から考察しました。

OA対応が延長期間ぎりぎりの6ヶ月に差し掛かるときに行われていたものの、効果的なインタービューの活用により書面によるOA対応の前にすでに許可可能なクレームに関して合意ができていた案件でした。

また、3つの独立クレームはすべてバッテリーシステムに関するものでしたが、それぞれ特徴のあるクレームになっており、OA対応でも補正は最小限にとどめていて、3つの独立クレーム中、2つは補正せずに主張だけで権利化していました。

OA対応時に似たようなクレーム補正をすべての独立クレームに行いがちですが、今回はそのようなことをするのではなく、引用されたリファレンスの開示内容や解釈、クレームへの適用なども独立クレームごとに別々に対応して、丁寧な仕事をしていたという印象を持ちました。

詳しくは、この解説を見てください

過去の特許審査履歴解説一覧はここからアクセスできます。データベースになってるので、拒絶理由や審査経緯などでフィルターでき、自分が知りたい特許審査が簡単に探せます。

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