特許の見なし通知の正しいやり方

今回は、自社の製品に特許が発行された場合に取ることのできる、最も簡単で実用的な手段の一つである「見なし通知」について話します。特に、特許侵害における損害賠償に関わるもので、インターネットを用いたバーチャルマーキングもできるようになったので、いままでよりも手間がだいぶかからなくなりました。

特許通知(Patent Notices)の重要性

特許における「通知」(Notices)とは何か、そしてなぜそれが重要なのかをまず説明します。「通知」とは、簡単に言うと、特許権を侵害者に知らしめる行為です。

特許の場合においても知的財産法の他の分野と同様、権利行使は特許の所有者が行います。つまり、特許権者は、侵害者とされる者に直接通知する「実際の通知」(actual notice)、または製品自体や一般がアクセスできるウェブサイト上で「見なし通知」(constructive notice) を行うことによって、出願中の特許または発行済みの特許があることを公衆に明らかにする必要があります。

特許権者に支払うべき潜在的な損害賠償の決定は、侵害や特許認可の最初の日ではなく、通知の日から始まるため、通知は特許法において特に重要な意味を持ちます。(参照:35 U.S. Code § 287 - Limitation on damages and other remedies; marking and notice)

このため、侵害による損害賠償の可能性がかなり制限されることはおわかりいただけると思います。また、「実際の通知」を行うには時間がかかる場合があり、実際に書類を送達するために、見つけにくい侵害者を探さなければならない場合もあります。

その結果、実際の通知に頼ると、補償金を失うことになりかねません。しかし、見なし通知を活用することで、このような制限を回避することができます。

形式的な見なし通知

見なし通知は、基本的に、発行された特許番号を製品に表示し、特許権を明確に宣言するものです。これにより、誰かが貴社の特許製品や特許デザインを無断で使用した場合、そのラベルを指して、「確認していれば、これがすでに特許であることに気づいたはずだ」と言うことができるのです。

以前は、見なし通知は、物理的な対象物に「Patent」という言葉や「pat.」という略語で表示されなければなりませんでした。そして、特定の特許番号でタグ付けする必要がありました。

スタンプやエンボスを押すには小さすぎたり扱いにくかったりする物体については、所有者は、特許番号を参照するラベルを使用するか、包装に特許番号を記載するという選択肢をとっていました。しかし、見なし通知に関連するいくつかのケースは、訴訟中に取り消されたため、可能な限り特許製品を直接表示することが最良の方法であるとされています。

見なし通知にかかる費用と解決策

いずれの場合も、新しい特許番号を追加し、期限切れの特許を削除するなど、最新の特許番号を維持することは、例えば、新しい番号が変わるたびに新しい電話ケースの型を製造しなければならない場合、かなりのコストがかかることは想像できるでしょう。

この負担の大きいコストを解決するために、 最近では特許権者は特定の条件下で、特許でカバーされている製品用にウェブサイトを設置し、「バーチャルマーキング」によって特許権の告知を行うことが認められています。。(参照:35 U.S. Code § 287 - Limitation on damages and other remedies; marking and notice. "by fixing thereon the word “patent” or the abbreviation “pat.” together with an address of a posting on the Internet, accessible to the public without charge for accessing the address, that associates the patented article with the number of the patent")

バーチャルマーキングで気をつけること

287条に基づくバーチャルマーキングを行う場合、以下のようなことに気をつけましょう:

  • 現在の最新の登録特許番号をサイトに掲載する
  • 期限切れの特許番号は定期的に削除する
  • ウェブサイトは一般的に維持されており、長期間ダウンすることはないようにする
  • ウェブページを参照する場合、単にインターネットアドレスを記載するだけでは不十分で、アドレスには「patent」という単語または「pat.」の省略形が含まれていなければならないことに留意してください。(アドレスには「patent」という単語または「pat.」の略語(例:www.company.com/patents)を含め、ウェブページにはその趣旨と該当する特許番号(複数可)を明確に関連付ける必要があります。

このオンラインオプションは、見なし通知のプロセスをより柔軟にするものです

見なし通知のステップ

貴社のビジネスが1つまたは複数の特許製品に依存している場合、バーチャルマーキングによる見なし通知は、貴社の特許資産を保護するシンプルかつ実用的な方法です。ただし、会社のウェブサイトを作成・管理し、製品に「ウェブサイトのURL + 特許」と表示するなどのステップを実行する必要があります。

多忙な起業家や企業にとって、これらの手順を後回しにしたくなるかもしれませんが、特許が侵害に直面した場合、数ヶ月、あるいは数年分の損害を被る可能性があるので、先延ばしにしないようにしてください。

参考文献:How Constructive Notice of a Patent is Established

追加記事

最近では猫ミームなど、ミームはインターネットカルチャーの定番となっていますが、その広範な配布は著作権や知的財産権に関する重要な問題を提起しています。このブログでは、ミームに関連する著作権法の複雑さについて掘り下げ、クリエイターとユーザーが著作権侵害、フェアユース、所有権といった知的財産に関わる問題をどのようにナビゲートするのかを探ります。
特許において、特許発明者の正確な特定は極めて重要です。Tube-Mac Indus., Inc.vs Campbell事件は、特に特許への貢献が複数の当事者からなされた場合に、発明者の定義とすべての発明者を特定する重要性を再認識する好例です。この記事では、このケースの分析を通じて、課題解決した当事者の重要性と共同発明者を特定するアプローチについて掘り下げます。
ニューヨーク州弁護士会はAI技術の法的・倫理的影響に対する新ガイドラインを提供しました。このガイドラインは、弁護士によるAIの適切な利用と潜在的リスク管理に焦点を当て、今後のAI法律業務における教育と規制の強化を推奨しています。80ページにもわたるレポートには、AIが今後どう弁護士業務を変えていくかについて詳細に書かれており、今後NYだけでなく、アメリカの各州におけるAIの弁護士倫理ガイダンスに大きな影響を与えることが予想されます。