クレームされた特性が、結果効果のある変数であり、最適化することは自明であったと判断される場合があります。しかし、クレームされた特性が先行技術の変数と区別できる場合、審査官の自明性拒絶を克服するのに役立つ可能性もあります。
米国の特許審査官は、クレームを自明なものとして拒絶する際に、最適化の根拠を用いることがよくあります。
クレームに変数の可能な値の範囲が記載されており、先行技術がクレームの範囲外の変数の値を開示している場合にこの最適化の根拠が用いられることが多く、審査官は通常、「result-effective variable」(結果効果のある変数)、すなわち、先行技術で認識された結果を達成する変数をルーチン的に最適化することによって、クレームの範囲が得られることは自明であるという立場をとります。
しかし、時に審査官は適用された先行技術に開示されていないクレームされた特性に、結果効果のある変数の根拠を適用する場合があります。例:Ex parte Horiuchi(Appeal No.2020-000126)
そのような場合は、まずクレームされた特性に関連する先行技術の開示内容を注意深く評価することが重要です。
例で紹介した案件では、クレームされた特性が先行技術の変数と区別できたので、審判において、審査官の自明性拒絶を克服することができました。クレームされた特性が変数(成分の濃度など)に関連していて、変数の値が先行技術の対応する値と重ならない場合、特に有効なアプローチになる可能性があります。
参考文献:PTAB Reverses Obviousness Rejection, Finding Claimed Property Not to Be a Result-Effective Variable