2021年11月3日(水)、ホワイトハウスは、バイデン大統領がLeonard P. Stark判事(デラウェア州連邦地方裁判所)を連邦巡回控訴裁判所(CAFC)の判事に指名したことを発表しました。Stark判事は、2022年3月に引退することを発表したKathleen M. O’Malley判事の後任として指名されます。
Stark判事は、2010年から米国地方裁判所の判事を務め、2014年7月から2021年6月までデラウェア州地区の首席判事の地位にありました。Stark判事は、そのキャリアを通じて、2500件以上の特許訴訟を担当。2017年に米国最高裁が下した「TC Heartland LLC v. Kraft Foods Group Brands LLC」の判決により、特許訴訟の裁判地が被告の居住地または通常の確立された事業所のある司法管轄区に限定されたため、デラウェア州に1000件以上の特許訴訟が流入することに。その対応と監督をしたのが、Stark判事。TC Heartland判決により、テキサス州東部地区から、多くの企業が法人化しているデラウェア州や、多くの企業が所在するカリフォルニア州北部地区などの管轄区域に、訴訟が大きくシフトしました。興味深いことに、Stark判事は、最終的に最高裁まで持ち込まれた最初のTCハートランド事件の裁判長を務めていました。
TC Heartland事件の他にも、Stark判事は、裁判制度の中で数々の重要な事件を担当してきました。例えば、American Axle Mfg., Inc v. Neapco Holdings LLCにおいて、Stark判事は、自動車部品の製造方法をカバーするAmerican Axleの特許は、自然法則を主張しているため、35 U.S.C. § 101により無効であると判断しました。連邦巡回控訴裁はこの判決を支持し、この事件は現在、最高裁で審議されています。
また、Stark判事は、他の判事とともに35 U.S.C. § 101に基づく特許適格性に関する議論を複数の事件で同時に行う「Section 101 Days」を開始するなど、特許事件に対する独創的なアプローチを行うことでも知られています。
地方裁判所での任務に加え、Stark判事は、第3巡回区と連邦巡回区の両方で特別や役割を担っています。連邦巡回控訴裁判所では、In re: Aqua Products, Inc.の判決に参加しました。
参考記事:Judge Leonard P. Stark Will Bring a Wealth of Patent Experience to the Federal Circuit