地裁以外の権利行使を考える:ITC入門 知っておきたい5つのポイント

コロナ禍で地裁における知財を含めた民事訴訟の手続きが滞っている中、ITCが注目を集めています。実際にITCを活用して救済措置を求めることを検討する場合に考慮する点は様々ですが、5つのポイントを知っておくと便利です。

ITCは特許以外の様々な知財にも対応している

多くの企業は、ITC を、特にハイテク製品に関する特許侵害訴訟を提起する場所と考えています。しかし、ITCへの申請件数が増え続けていることからもわかるように、ITCは他の様々な場面でも活用でき、特許だけでなく、著作権、商標、トレードドレス、トレードシークレットなどの侵害にも対応できます。

General Exclusion Orderはとても強力

さらに、ITC は、知的財産権の保有者が、General Exclusion Order を取得できる唯一の米国機関です。General Exclusion Order(一般排除命令) とは、メーカーや販売者がITCの調査の対象になっているか、あるいはその存在をITCに知られているかにかかわらず、すべての侵害製品の米国への持ち込みを禁止することができるとても強力な命令です。

知っておきたい5つのポイント

このように特許侵害以外でもメリットが得られるITCですが、実際にITCを活用して救済措置を求めることを検討する場合、以下の5つのポイントを知っておくべきです。

  1. 偽物、偽造品、コピー商品と戦う場合:一般排除命令はこれらに対する強力な救済策となります。
  2. 差止命令を得ることが重要な場合:ITCはeBay要素を適用しないため、侵害を証明した権利者はこの追加のハードルをクリアする必要がありません。 eBay要素とは、地裁で差止命令を得る際にクリアーしないといけない条件。地裁における差止命令が難しくなってきている原因の1つに、判例的にこのeBay要素をクリアーすることが難しくなってきているという事実があります。
  3. スピードが重要な場合:ITC の調査では、訴状が提出されてから 10 カ月以内に裁判が行われ、16カ月以内に最終命令が発効されます。また、ITCはIPRが行われても手続きを停止しないため、PTABで行われるIPRの手続きによりITC調査が遅延することはありません。
  4. 医療・医薬品関連の案件:昨年のITC調査では、5件に1件の割合でこれらのカテゴリーの製品が取り上げられており、訴訟事件に占める割合は着実に増加しています。
  5. 小規模で広範囲に所在する多数の侵害者が関与するケースの場合:手続き上の問題から地裁で訴訟を起こすと、単一の訴訟に「まとめられない」可能性が高いので、複数の地裁訴訟を行うよりも、ITCでひとまとめにした方がいい可能性があります。ITCの管轄権は全米に及び、個々の侵害者が米国内のどこにいるかに関わらず、すべての輸入製品を扱うことができます。

参考文献:”Considering the Alternatives: A Primer on the ITC – 5 KEY TAKEAWAYS” by Aarti Shah. Kilpatrick Townsend & Stockton LLP

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