IPRの費用を電信送金で払う際は時間に注意するべき

訴状の送達から1年以内までならIPRで特許を無効にする再審議が特許庁で行えるます。しかし、東芝が送った電信送金(wire transfer)が特許庁の口座に受理された日が期限日の後だったので、IPR手続きは適切ではないとされ、却下される事件がありました。

PTABによる2021年6月25日の決定により、電信送金で費用を支払う場合、Inter partes review(以下「IPR」)の請願書提出日は、IPR費用がUSPTOに入金された時点を基準とすることが明確になりました。 

判例:Toshiba America Electronic Components, Inc. v. Monument Peak Ventures, LLC, IPR2021-00330 (PTAB June 25, 2021)

 2-1の決定において、パネルの多数派は、東芝の申立費用は、電信送金の資金がUSPTOの口座に入るまでUSPTOに受理されず、したがって、東芝のIPR申立ては、侵害を主張する訴状の送達から1年以内に費用が支払われなかったため、時効となったと判断しました。審査会は、電信送金で支払われた申立費用は、USPTOの銀行口座に振り込まれるまで受領したとはみなされないことを明確にしました。

2019年12月17日、東芝は、Monument Peak Ventures, LLCによる米国特許7,583,294(以下、「’294特許」)の侵害を主張する訴状を送達されました。 約1年後、東芝は、’294特許のIPRを要求する申立書を提出。 この申立書と添付の証拠書類は、2020年12月16日にUSPTOに提出されています。 東芝は、PTABの費用支払い画面で支払いオプションを選択する代わりに、電信送金による手続き費用の支払いを選択。 東芝は送金を開始し、”INPROCESS “および “No Records Found “と記載されたFees Payment Receiptを受け取りました。 2020年12月16日と17日の両日、東芝の代理人は、USPTO Receipts and Accounting Divisionから、費用がまだ受領されていないとの連絡を受けます。 2021年1月、申立人の出願代理人は、USPTOパラリーガルのスーパーバイザーから、2020年12月18日に費用が受領され、翌営業日の2020年12月21日にPTABにケースが記録されたことを知らされました。

このことを受け、東芝は、提出日を2020年12月16日または17日のいずれかに変更するために、提出日修正申立書を提出しましたが、 特許権者であるMonument Peakが2020年12月18日以前にIPR費用を受領したことを示すことができなかったと主張して、異議申立書を提出。

35 U.S.C. §315(b)に基づき、IPR申立ては、侵害を主張する訴状の送達から1年以内、つまり2019年12月17日に提出しなければなりません。 法定およびPTAB規則では、IPR申請料を請願書に添付することを要求し、全額の支払いを受けるまで申請日を割り当てることを禁止しています。 

この費用の支払いタイミングについては、結局PTABで争われましたが、審査会は、特許庁の口座に受理された日が2020年12月18日だったので、規定の訴状の送達から1年以内まで(つまり2020年12月17日)にIPRの申立が提出されていなかったとみなして、申立人である東芝の要求したIPRが時効にかかっているという理由で、その実施を拒否しました。

気をつけるポイント:

今回の決定を受けて、訴訟に伴うIPRを行う際は、法定期限内に請願書を提出し、USPTOの預金口座(deposit account)を利用するなど、即時に支払いが確認できる支払い方法を利用することをお勧めします。

また、何らかの問題で期限を1日でもすぎるとこのように大きな問題にもなりかねないので、余裕を持って手続きを行うことをおすすめします。

参考文献:A Cautionary Tale: Paying IPR Filing Fees Via Wire Transfer

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