特許訴訟と平行するIPRの裁量的拒否が増加:アフターコロナも継続か?

最近のデータを見るとIPRの裁量的拒否(discretionary denials)が増加傾向にあり、懸念されています。PTABの判事は、裁量的拒否を考慮するにあたり、Apple v. Fintivで特定された6つの要素を総合的に判断し、並行する特許訴訟との兼ね合いを見てPTABにおける審議を行うか判断します。

コロナによる訴訟環境の変化がFintiv要素にも影響し、IPRの裁量的拒否を増加させていましたが、アフターコロナで訴訟スケジュールが通常に戻ってもIPRの裁量的拒否は増加するのではと心配されています。

その対策として、IPRの申立を行う訴訟の被告側も、裁量的拒否を回避するために戦略的な動きが求められ、特許訴訟の戦略が更に複雑化しています。

平行する特許訴訟に対する裁量的拒否の影響も一定ではなく、訴訟を起こす裁判所によって大きな違いがあるため、いわゆる特許権者に有利な裁判所を探すforum shoppingという行為がより活発になることが予想されます。

裁量的拒否が今後も増加してくるようであれば、特許庁によるルールの改正や裁判所からの抑止力も考えられ、今後も注目していきたいトレンドです。

参考記事:The Rising Tide of Fintiv Denials

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